失敗事例 (2)

工作機械、検査装置を製造しているB社は、2000年問題でオフィスコンピュータの入替えが発生して
必要に迫られクライアントサーバー型の生産管理パッケージシステムを導入した。
オフィスコンピュータではかなり多くのプログラムで手作りされており、
当初ほんとにパッケージシステムでいいのかと迷うことがあったが、
ソフトメーカーの薦められた内容で、データーがエクセル、アクセスにて簡単に加工でき
自分の好きなことができる点が高ポイントとなり、検討を初めフィットギャップ(適合分析と解決)
をしはじめた。
やはり長年に渡る手作りシステムのプログラムを全て移行すると5000万近くになってしまうことから、
現場をシステムに合わせるとした方針でパッケージを導入した。
ところが当初2500万で導入をして半年過ぎたところで
現場の方からここを直してほしい、あそこを直してほしいと要望が一杯出できた。
追加要望をメーカーと打ち合わせ半年後に第2回目のカストマイズ(追加プログラム)を追加した。
その後、2年たち第5回目のカストマイズを行い、ようやく落ち着き
なんとか無事に入替えができたと安堵した。
以前のオフィースコンピュータで使った費用とあまり変わらなくなって来てしまい、
以前に比べてあまりメリットがない。
これなら最初から手作りしても変わらなかったのではと後悔している。

Q.さて、何がいけなかったのでしょうか?皆さんどう思われますか?

A.そうですね、上記の内容で気になる点を洗い出して見ましょう。
1. 当初本当にパッケージソフトが適合していたのでしょうか?
2. フィットギャップ(適合分析と解決)で内容を決めていくときに現場の改善をしたのでしょうか?
3. カストマイズを入れる内容は本当に必要な内容だったのでしょうか?

以上の3点が疑問に残りますね。
原因分析としましては、初期導入費用を安くしてコストダウンを狙ったがトータルではコストダウンができていない。
パッケージソフトの適合比率が低すぎたのでは?初めから手作りでもよかったのではないかと思われます。
追加カストマイズの内容分析をすると本来パッケージメーカーが必要とされる標準機能の内容もありました。
また、本当に無駄なカストマイズも多く見受けられました。
よって現場改善を優先させ、パッケージに合わせた現場運用見直しを行い、現場改善後、余分なカストマイズを削除して
本当に必要な部分をつけたしランニングのコストダウンが実現できるようになりました。

今後は、後2年ほどこのシステムを使い償却してもらい、2年後は手作りシステムの導入予定になっています。
もともとパッケージの適合率が低かったところに無理やりカストマイズをしたのも失敗原因のひとつでした。
(最初の見定めが肝心です。)

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