内示製番(仕込み製番)のメリット、デメリットとは?

 個別受注生産の工場でも、特定機種について2~3か月に1回など断続的な繰り返し生産となる場合は、
当然ながらまとめて生産したいという要望が出てきます。
 ただし、断続的な繰り返しであり、見込み生産ではないのでMRP(Mterial Requirement Plannining 資材所用計画)
機能を利用して在庫前提で生産することは困難になります。
このような場合には、内示製番の運用となります。
メリット、デメリットの両面がありますので注意してください。

 内示製番の運用方法は、受注した物件(製番)を取りまとめて、工場側にて内示製番(仕込み製番)を発番し、まとめて生産いたします。
 下記のように、例えば同じ機種が4月末1台、5月末2台、7月末2台、8月末1台と受注された場合に
 通常の個別受注生産の場合は下記の表1のようになります。

表1
製番 機種 納期 製作台数
200504001 搬送ロボット タイプA 4月末 1台
200505001 搬送ロボット タイプA 5月末 2台
200507001 搬送ロボット タイプA 7月末 2台
200508001 搬送ロボット タイプA 8月末 1台

 内示製番(仕込み製番)をまとめて製作するケースだと下記の表2のようになります。
製番200504001200505001を合わせて  内示製番 X001 4月末納期 3台とする
製番200507001200508001を合わせて  内示製番 Y001 7月末納期 3台とする

表2
内示製番 機種 納期 製作台数
X001 搬送ロボット タイプA 4月末 3台
Y001 搬送ロボット タイプA 7月末 3台

 上記のように部品などを内示製番にてまとめて発注して仕入れたときには、
受入時の内示製番X001、Y001を個別製番200504001、200505001、200507001、20050800に仕分ける必要があり
納入物の仕分けが煩雑になります。
 また、原価についても内示製番が製作途中で引当てされていくと按分処理に非常に手間がかかります。

結論としては、内示製番の処理は極力使わない方が個別受注生産形態には適しています。
どうしても内示製番が必要な時は、一度製品在庫として計上して実際の受注製番に在庫引当てしていく方法で運用しましょう。

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