自社に適切な工程管理システムとは ― 3つのクラスから選ぶ最適解
工場の規模、工程の複雑さ、スケジュール精度のニーズによって、選ぶべきクラスは大きく変わります。間違ったクラスを選ぶと、機能不足で現場が困るか、逆に高機能すぎて使いこなせないかのどちらかになります。
このページでは、工程管理システムを「日別」「時間割」「自動スケジューラ」の3つのクラスに分類し、それぞれが解決できる課題と選び方を解説します。
工程管理システムで解決したい5つの目的
まず、工程管理システムを導入する企業がよく挙げる5つの目的を整理します。自社の課題がどれに該当するかを意識しながら読み進めてください。
- 進捗の見える化:「どの製番が、今どの工程にいるか」をリアルタイムに把握
- 納期遵守:納期遅れを防ぎ、得意先からの信頼を確保
- 機械稼働率の向上:機械の空き時間を減らし、生産性を上げる
- 負荷調整(山積み・山崩し):作業の偏りを均し、特定機械や担当者への集中を避ける
- 作業実績の収集:5-1:日単位/5-2:部品別工程別の工数を正確に把握
これらの目的のうち、どこまでをシステム化したいかで、選ぶべきシステムのクラスが決まります。
クラス1:日別工程管理システム
最も普及している、工程管理システムをはじめて導入する場合によく採用されるクラスです。日単位で工程の進捗を管理し、ガントチャートで全体を可視化できます。
特徴
- 日毎の進捗管理ができる
- ガントチャートスケジュールは引ける
- 負荷調整(山積み・山崩し)は自動で行えない
- 導入のハードルが低く、現場に馴染みやすい
こんな工場におすすめ
「部品ごと・工程ごとの工数把握ができていないので、まずは作業実績の工数を収集したい」「日単位の進捗が見えれば十分」という工場には、このクラスが最適です。解決できる目的:No.1、2、5-1です。
インプローブの「サクっと工程」はこのクラスに該当します。日割ガントチャートで進捗を見える化し、部品名と工程を簡単に登録するだけで運用が始められます。部品マスタ登録なしでも運用開始可能で、スムーズなシステム移行ができます。
クラス2:時間割工程管理システム
クラス1より一段きめ細やかなスケジュールが必要な工場向けです。機械ごとに時間割スケジュールを立て、機械の稼働率を高めたい場合に選ばれます。
特徴
- 時間割スケジュールを立てられる(分単位の精度)
- 機械別・部品別のスケジュール切替ができる
- 設備・作業者ごとの負荷可視化ができる
- 部品ごと・工程ごとの工数の図面査定が前提
こんな工場におすすめ
「もう少しきめ細やかにスケジュールを立てたい」「機械ごとに時間割スケジュールを立てたい」「機械の稼働率を良くしたい」――これらを解決する工場向けです。解決できる目的:No.1、2、3、4、5-2です。
ただし、部品ごと・工程ごとの工数を事前に査定できる体制が整っていることが前提となります。
インプローブの「サクっと工程Pro」は、製造業向けスケジューラー「工程's」と連携した時間割工程管理システムです。マシン別スケジュール・部品別スケジュールの切替が可能で、分単位のスケジュール調整ができます。
残業時間短縮・外注費削減・負荷分散に有効です。
スマホ・タブレット連携:サクスマ
サクっと工程Proは、スマホ・タブレット・PC対応の実績収集ツール「サクスマ」と連携できます。現場の作業者が手元の端末で受注・作業実績入力・作業実績修正・作業日報入力・工程進捗の問合せ・出荷までを操作でき、入力漏れの削減とリアルタイムな進捗把握が実現します。サクっと工程Pro+サクスマの組み合わせは、時間割工程管理の効果を最大化する構成です。
また、サクスマは単独でも使用できます。工程管理システムを導入する前に、まずスマホで作業実績を収集する仕組みだけ整えたい、というスモールスタートにも対応可能です。
※サクスマはクラス1の「サクっと工程」とは連携しません。連携をご希望の場合は、クラス2「サクっと工程Pro」または同社の生産管理システム「Prevision」とご利用ください(サクスマ単独使用も可能です)。
クラス3:自動スケジューラ型工程管理システム
3つ目のクラスは、自動スケジューラを備えた工程管理システムです。受注の割り込み、作業遅れ、機械停止など、生産計画の障害が発生したときに、システムが自動で再計画を行います。
特徴
- 負荷調整(山積み・山崩し)が自動でできる
- 急な割り込み・遅延・機械停止に自動で再計画対応
- 複数の制約条件(機械・人員・段取り)を考慮した最適化
- 計画担当者の属人化を解消
こんな工場におすすめ
「急な受注の割り込みが多い」「機械停止・作業遅れが頻繁に発生する」「ベテラン計画担当者に依存している状態を脱したい」――こうした工場には自動スケジューラ型が最適です。5つの目的すべてに対応できます。
インプローブの「サクっと工程SP」は、自動スケジューラ「スパライシス」と連携した工程管理システムです。急な受注の割り込み、作業遅れ、機械停止など生産計画の障害を踏まえて自動処理し、再計画を行います。
計画担当者の負担を大幅に軽減し、納期遵守率の向上を実現します。
3クラスの比較表
| 項目 | クラス1:日別 | クラス2:時間割 | クラス3:自動 |
|---|---|---|---|
| スケジュール精度 | 日単位 | 分単位(時間割) | 分単位+自動再計画 |
| 負荷調整 | 手動 | 手動(可視化あり) | 自動 |
| 事前準備の量 | 少(部品マスタ不要) | 中(工数査定が必要) | 多(制約条件の整備) |
| 解決できる目的 | No.1、2、5-1 | No.1、2、3、4、5-2 | すべて |
| 対応OS | Windows専用 | Windows専用 (サクスマはスマホ・タブレット・PC) |
Windows専用 |
| 該当製品 | サクっと工程 | サクっと工程Pro サクスマ |
サクっと工程SP |
自社に合うクラスの見極め方
3つのクラスから自社に合うものを選ぶときは、次のチェックリストで判断してください。
- はじめて工程管理を導入する → クラス1(日別)から始める
- 日単位の進捗が見えれば十分 → クラス1
- 機械稼働率を上げたい → クラス2(時間割)以上
- 機械別・部品別の細かいスケジュールを立てたい → クラス2
- 急な割り込みや遅延が頻発する → クラス3(自動)
- 計画担当者の属人化を解消したい → クラス3
- 現場でスマホ・タブレット入力したい → クラス2+サクスマを併用
いきなり高クラスを選ばない
選定時の落とし穴として、「いきなり高クラスを選んでしまう」失敗があります。自動スケジューラは魅力的に見えますが、運用には事前準備(工数査定、制約条件整備、マスタ整備)が大量に必要で、整わないまま導入すると稼働しません。
はじめて工程管理を導入する工場であれば、まずクラス1から始めて運用に慣れ、必要に応じてクラス2・3にステップアップするのが王道です。インプローブのサクっと工程シリーズは、同じ思想で設計されているため、後からクラスを上げる際もスムーズに移行できます。
まとめ|自社の課題に応じて適切なクラスを選ぶ
工程管理システムは、機能の多さだけで選ぶと失敗します。自社の課題(5つの目的のどれを解決したいか)と運用体制(工数査定や制約条件整備ができるか)に応じて、適切なクラスを見極めてください。
インプローブの工程管理シリーズは、サクっと工程(日別)・サクっと工程Pro(時間割)・サクっと工程SP(自動スケジューラ)の3クラスと、スマホ・タブレット連携のサクスマで、貴社の段階に合わせた最適解をご提供します(サクっと工程シリーズはWindows専用、サクスマはスマホ・タブレット・PC対応)。「自社にはどのクラスが合うか相談したい」「いずれ自動スケジューラに上げたいので、いまから備えたい」というご相談、お気軽にお寄せください。
関連キーワード:工程管理システム/工程管理 選び方/日別工程管理/時間割工程管理/自動スケジューラ/ガントチャート 工程管理/負荷調整 山積み/工程管理 機械稼働率/部品別工程/工程管理 3クラス