製造業での受注データ取込とは?― FAX・EDI・Excel・PDF、それぞれの受注データを効率的に取り込む方法
受注者側からすると、大手製造業は独自EDIシステムで取引上専用のEDIシステムを使っている現状があり、共通化はなかなか進みません。
このページでは、FAX・EDI・Excel・PDFといったさまざまな形式で届く受注データを、現実的に効率よく取り込む方法を解説します。
製造業の受注データを取り巻く現状
製造業の受注データのやり取りは、業界・取引先によってさまざまな形式が混在しているのが実情です。これらを一気に統一することは難しいため、それぞれに合った取り込み方法を選ぶことが現実的です。
受注データの主な形式
| 形式 | 送信元の特徴 | 取り込みの難易度 |
|---|---|---|
| FAX | 中小製造業・古い取引慣行 | 高(手入力必要) |
| 独自EDI(CSV) | 大手製造業 | 低(自動取込可) |
| Web-EDI | 中〜大手、徐々に浸透 | 中(取引先個別対応) |
| Excelデータ | 中規模製造業・親密な取引先 | 中(シート取込で楽に) |
| PDFデータ | 事務処理がデジタル化された取引先 | 中(コピー&ペースト可) |
| メール本文 | 小規模取引先・スポット注文 | 高(手入力中心) |
なぜFAXがまだ主流なのか
クラウド利用のWeb-EDIも少しずつ浸透してきていますが、発注者側に月額費用などの維持コストがかかるため、現時点でもFAXという現実があります。
Web-EDIの普及が進まない理由
- 発注者側に月額費用がかかる
- 導入時の初期費用も発生
- 取引先ごとに異なるEDIシステムを使う必要
- 運用負担(マスタ登録・運用保守)
- 長年慣れたFAXからの切り替えコスト
大手製造業のEDIは「独自仕様」が現実
受注者側から見ると、大手製造業は独自EDIシステムを構築しており、取引上、専用のEDIシステムを使う必要があります。1社の取引先と取引するために、その会社専用のEDI端末や接続環境を準備する――これが現実です。
取引先が10社あれば、それぞれの独自EDIシステムに対応する必要があります。
端末が10台、ログイン情報が10種類、運用ルールも10通り――この状況を「EDI地獄」と呼ぶこともあります。
だからこそ、受注データを自社の生産管理システムに一元化する仕組みが重要です。
中小企業共通EDIの可能性と現状
中小企業庁が推進する中小企業共通EDIが大手製造業に対して共通化の指導があれば、もう少し進むと思いますが、現時点では難しい状況です。共通化が進めば、受注者側の負担は大きく軽減されますが、当面はこの恩恵は限定的と考えるのが現実的です。
現実的な受注データ取込の3つの方法
このような現状を踏まえ、製造業の受注データ取込は次の3つの方法を組み合わせるのが現実的です。
[方法1] EDIシステムからCSV形式で受注データを取り込む
大手製造業からのEDIシステムから受注データがCSV形式などでもらえる時は、EDI取込システムにて受注データを取り込みます。
- 手入力工数がゼロになる
- 入力ミスのリスクが消える
- 大量データも即時取り込みできる
- 受注情報の履歴管理も正確
- 取込結果が即座に生産計画・原価管理に反映
大手製造業との継続的な取引がある場合、CSV取込の仕組みを整備することで、受注業務の工数を劇的に削減できます。
[方法2] FAX注文書はExcel・PDFデータ送付を交渉する
FAXで注文書が送られてくる得意先には、注文書と同時にExcelデータ、またはPDFデータがもらえないか交渉してみるのが現実的です。
PDFデータならコピー&ペーストが可能
PDFデータであれば、コピーペーストでExcelなどにデータを転記することが可能です。手入力よりも大幅に効率化できます。
PDFには「テキストPDF」と「イメージPDF(スキャン画像)」があります。
イメージPDFはコピー&ペーストができないため、結局手入力になります。
得意先には「テキストデータ入りのPDF」を送ってもらうよう、具体的に依頼するのがポイントです。
交渉のすすめ方
| 交渉ポイント | 得意先側のメリット |
|---|---|
| 「FAX+Excel」または「FAX+PDF」の併送 | 転記ミスが減り、納期・数量トラブル防止 |
| 注文書テンプレートを共有 | 双方の運用工数削減 |
| 定期メール送信に切替 | FAX用紙・送信コスト削減 |
| Web-EDIの簡易版利用 | 履歴の電子化・検索性向上 |
[方法3] 手入力時はExcelを介して取り込む
手入力が必要な場合で、毎回、図番・品名などが違うときは、工程管理システム・生産管理システムに直接手入力する前に、コピー機能が優れたExcelで入力したものを工程管理システム・生産管理システムに取込したほうが、手間が省ける場合があります。
- Excelのオートフィル・関数で入力効率アップ
- コピー&ペーストで類似案件を流用
- 入力ミスを事前にチェックできる
- 複数の担当者で分担入力が可能
- 過去の入力データをテンプレート化できる
理想:Excel直接シート取込
工程管理システム・生産管理システム側にExcelデータをCSVに変換しないで直接シート取込ができると、さらに手間が省けます。CSV変換作業も省略できるため、受注データの取り込みが「Excelを開いて貼り付けるだけ」になります。
受注データ取込方法の選び方
取引先の規模・取引頻度・受注形式によって、取り込み方法を使い分けるのが現実的です。
| 取引先のタイプ | おすすめ取込方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 大手製造業(独自EDI) | CSV自動取込 | 大量データを効率処理 |
| 中堅取引先(FAX中心) | PDF+Excel交渉 | 取引先負担少で効率化 |
| スポット注文・少量 | Excel経由入力 | 柔軟に対応可能 |
| 定型品の繰り返し受注 | テンプレート流用 | 過去データの再利用 |
受注データ取込のチェックリスト
- 取引先別の受注データ形式を把握しているか?
- 大手取引先からのCSV取込は仕組み化できているか?
- FAX注文書の得意先にExcel・PDF併送を交渉したか?
- 手入力時のExcelテンプレートはあるか?
- 生産管理システムがExcel直接シート取込に対応しているか?
- 受注データの履歴・検索が容易にできるか?
- 入力ミスの事前チェック機能はあるか?
インプローブの受注データ取込ソリューション
インプローブの生産管理システム「Prevision」は、製造業の多様な受注データ取込に対応した機能を備えています。
PrevisionのExcel直接取込機能
Previsionは、ExcelデータをCSVに変換せず直接シート取込ができる強力な機能を持っています。受注データ・部品表・マスタ登録など、Excelで管理しているデータをそのまま取り込めるため、受注業務の効率が大幅に向上します。
製作図面から作成したExcel部品表を取り込んで、資材発注も可能。
発注管理がスイスイできるため、受注から発注までの一連の業務が大幅に効率化されます。
Previsionの受注データ取込機能
- CSV形式の受注データ自動取込(EDI連携)
- Excelシート直接取込に対応(CSV変換不要)
- 受注データの履歴管理・検索機能
- 入力チェック機能で取込前の精度確保
- 得意先別の受注テンプレート登録
- 過去案件の流用機能で類似案件の入力工数削減
PrevisionとExcelの強い連携
Previsionに入力したデータは、10万件分の明細も5秒でExcel帳票に変換できます。欲しい項目だけ自由に抽出して、納品書・請求書・売上明細などの帳票作成の手間が激減します。
受注業務の効率化がもたらす効果
受注データ取込を効率化することで、次のような効果が期待できます。
- 受注入力にかかる工数の大幅削減
- 入力ミスによる納期・数量トラブルの防止
- 受注から生産計画への即時反映
- 受注情報の履歴管理が正確に
- 営業・生産・経理の情報共有がスムーズに
- 大量受注時の処理スピード向上
まとめ|「現実に合った組み合わせ」で受注データを効率化
製造業の受注データ取込は、FAX・EDI・Excel・PDFの混在という現実を踏まえて、それぞれに合った取り込み方法を組み合わせるのが現実的です。Web-EDIへの一気通貫の移行は理想的ですが、得意先側の事情もあり、簡単には進みません。
大手取引先からはCSV自動取込、FAX中心の得意先にはPDF・Excel送付の交渉、手入力時はExcel経由の取込――この3つの方法を組み合わせることで、受注業務の工数を大幅に削減できます。特にExcel直接シート取込に対応した生産管理システムを選ぶことが、効率化の大きなカギになります。
「受注入力の工数を減らしたい」「FAX注文書の処理が大変」「EDIシステムから自社システムへの連携を仕組み化したい」というご相談、お気軽にお寄せください。インプローブでは、貴社の取引先構成・受注パターンに合わせた最適な受注データ取込ソリューションをご提案します。
関連キーワード:受注データ 取込/FAX 注文書/EDI 受注/Web-EDI 製造業/中小企業共通EDI/CSV取込/Excel取込/PDF注文書/受注入力 効率化/シート取込