納期管理の方法とは?― 個別受注生産における納期と発注予定日の2セット運用、カムアップによる事前督促
このページでは、個別受注生産で押さえるべき2つの管理手法――「納期と発注予定日の2セット運用」と「カムアップによる事前督促」を解説します。資材担当者が1人で3000部品を扱う現場でも、この2つを徹底すれば納期遅延は劇的に減らせます。
見込生産と個別受注生産の納期管理の違い
納期管理の方法を考えるとき、まず自社が見込生産か個別受注生産かを意識する必要があります。両者は納期の決まり方が根本的に異なるため、同じ運用方法では機能しません。
見込生産の納期管理
見込生産では次のような流れで納期が決まります。
- 部品展開(BOM)をして親子の在庫引き当てを行う
- 期間のまとめ、ロットのまとめを行う
- 手配オーダーとしてリードタイムが設定される
- 納入予定日が決まる
- 発注 → 入荷の流れ
同じ部品を繰り返し使うため、リードタイムも安定しており、計画的な納期管理ができます。
個別受注生産の納期管理
個別受注生産では事情が異なります。リピート部品・ユニットは見込生産とほぼ同じ運用ですが、ほとんどは毎回違う部品を購入または製作するため、納期や発注金額が案件ごとに違った動きをします。
毎回違う部品=毎回違うリードタイム、毎回違う仕入先、毎回違う納期交渉。
過去案件のデータがそのまま使えないため、計画担当者の経験と勘に頼った運用になりがちです。
そこで重要になるのが、「事前手配」と「2セット管理」の仕組みです。
設計段階での事前手配が起点になる
個別受注生産では、設計の段階から納期のかかるものは事前手配を始める必要があります。設計が事前手配を行うか、または資材が先行オーダーを行うのが一般的です。
事前手配の対象となる部品
- 長納期部品:モーター、シリンダー、特殊ベアリングなど数ヶ月かかるもの
- 特注品:得意先指定品、特殊規格品
- 海外調達品:船便で時間がかかるもの
- 需給逼迫品:半導体・特殊鋼材など市況の影響を受けるもの
これらを設計段階で先行発注しておかないと、後工程の組立に間に合わず、製品全体の納期遅延を引き起こします。
問題:残部品の一括発注で起きる事前納入のムダ
設計が確定し、実際の手配段階になったとき、残りの購入品・製作品を一度に発注する会社が多くあります。一見効率的に見えますが、この運用には大きな問題があります。
一括発注の弊害
- 納期のかなり前から部品が事前納入される
- 組立場所・倉庫が山になり、作業場所が狭くなる
- 作業効率が悪化し、生産性が下がる
- 早く納入されただけ支払いも早まり、資金繰りに影響
- 大量の部品が積み上がるため、不足品の発見が遅れる
「念のため早めに発注しておけば納期遅れの心配がない」という発想で一括発注すると、倉庫の山・資金繰りの悪化・効率低下のトリプルパンチに見舞われます。
発注のタイミングを部品ごとに適切にコントロールすることが、現代の納期管理の鍵です。
対策:納期と発注予定日の2セット管理
この問題を解決する方法が、システム内で「納期」と「発注予定日」の2つをセットで管理する手法です。手間はかかりますが、効果は絶大です。
2セット管理の仕組み
- 各部品に「納期」を設定(いつ必要か)
- 同時に「発注予定日」を設定(いつ発注すべきか)
- 発注予定日が来ないものは手配しない
- 発注予定日が来たタイミングで初めて発注処理
2セット管理がもたらす効果
- 在庫場所を作らない:必要なタイミングで納入されるため倉庫が山にならない
- 余分な購入をしない:必要量だけが計画的に発注される
- 資金繰りが改善する:支払いの分散と最適化
- 作業場所が確保され、作業効率が向上
- 部品ごとの状況管理が明確になり、進捗追跡が容易
余力ができてくれば是非やってみると、明らかに効果がでてくる手法です。最初は設定が大変に感じますが、運用が回り始めると元には戻れません。
対策2:カムアップ(納期督促)を仕組み化する
発注後の納期管理で最も重要なのが、カムアップ(納期督促)の仕組み化です。これがないと、せっかく計画通りに発注しても、納期遅れに気づくのが遅れて手遅れになります。
資材担当者が直面する現実
資材担当者が1人で3000部品ほどを扱うことも珍しくありません。これだけの部品を抱えると、次のような状態になります。
- どこに何の部品がいつ入るか把握できない
- どの外注に何を回しているか記憶できない
- 「あれ、あのメッキ屋さんに出した部品はどうなったかな?」進捗不明な部品が大量発生
- 納期当日になって「そういえばあれ来てない」と気づく
どんなに優秀な資材担当者でも、3000部品の進捗を頭の中で完璧に管理するのは無理です。
IT化して納入予定日の1週間前には自動で督促アラートが上がる仕組みを作り、「だめな場合は次の手立てをする」癖作りが絶対必要です。
カムアップ運用の3ステップ
- 納入予定日の1週間前に督促アラートを上げる仕組みを作る
- 督促した結果をシステムに記録(誰が・いつ・何と回答したか)
- 納期間に合わない場合は次の手立てを即座に検討(代替部品、外注先変更、納期交渉等)
カムアップで「だめ」と判明した時点で、対応策を打てるかどうかが納期遵守の分かれ目です。当日になって発覚するのと1週間前に発覚するのとでは、リカバリーの選択肢が全く違います。
納期管理を支えるインプローブのシステム
インプローブの生産管理システム「Prevision」は、個別受注生産の納期管理に特化した機能を備えています。
Previsionの納期管理機能
- 納期と発注予定日の2セット管理に標準対応
- 発注予定日が来ないものは手配候補から外す運用が可能
- 納入予定日の事前アラートでカムアップを仕組み化
- 外注先別・仕入先別の進捗追跡もリアルタイムで可能
- Excel部品表のダイレクト取込で設計BOMをスムーズに反映
現場での実績入力・受入処理は、「サクスマ」(スマホ・タブレット・PC対応、Prevision連携可、単独使用可)や「サクっと受入」(スマホ対応)と組み合わせると、より確実な納期管理が実現します。
まとめ|「事前管理」と「事前督促」で納期遅れを防ぐ
個別受注生産の納期管理は、「事前手配+2セット管理」と「カムアップによる事前督促」の2軸で考えるのが王道です。設計段階から納期のかかる部品を事前手配し、納期と発注予定日を2セットで運用し、納入予定日の1週間前にカムアップする――この流れを徹底するだけで、納期遅延は劇的に減らせます。
「3000部品の進捗管理に追われている」「事前納入で倉庫がいっぱいになっている」「納期当日に間に合わないことが発覚する」――こうしたお悩みのご相談、お気軽にお寄せください。インプローブでは、貴社の業務規模・部品点数に合わせた最適な納期管理ソリューションをご提案します。
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