生産スケジューラで稼働率アップ(部品加工業向け)― Excelの加工機械別スケジュールが破綻する理由と対策
特に全体納期の前倒しが発生するたびに、シート毎に手作業で修正する作業が膨大になり、計画担当者の残業が常態化していきます。
このページでは、Excelスケジュールが破綻する具体的な理由と、その対策としての「工程順と機械別を切り替えられるスケジューラ」の活用法を解説します。
Excelで加工機械別スケジュールを立てる工場の現状
部品加工業ではよく見られる運用パターンとして、機械ごとに別シートで日次・週次スケジュールを管理するExcel運用があります。NC旋盤シート、マシニングセンタシート、検査シートというように、機械の数だけシートが並ぶスタイルです。
この運用が成立する条件
- 機械が数台で、工程数も少ない
- 1人の計画担当者が全機械を把握できる
- 全体納期の変更が少ない
- 得意先が固定で、受注パターンが安定している
これらの条件が揃っているうちはExcel運用でも問題ありません。しかし、工場の成長や受注パターンの多様化により、すぐに限界が来ます。
問題[1]:多工程加工で全体納期前倒しが発生したとき
1つ目の問題は、多工程加工で全体納期の前倒しが発生したときです。たとえば「部品Aは旋盤→フライス→研磨→検査の4工程」を経由する場合、各工程は別の機械シートで管理されています。
得意先から「納期を3日早めてほしい」と連絡が来たら、計画担当者は4つのシートをすべて開いて、それぞれを手作業で修正しなければなりません。さらに、その部品の前後にスケジュールされていた他の部品も玉突きで動かす必要があり、修正範囲は無限に広がっていきます。
多工程・多機械を扱う部品加工業では、納期前倒し1件への対応に1〜3時間かかることも珍しくありません。
これが週に何件も発生すれば、計画担当者はスケジュール修正だけで1日が終わることになります。
問題[2]:班長ごとに別シートでスケジュール管理しているとき
もう1つの典型的な問題は、各機械グループで班長が違い、班長ごとにスケジュールを立てているパターンです。「旋盤班は田中班長、フライス班は鈴木班長、研磨班は佐藤班長…」と分かれていて、それぞれがExcelで自分の班のスケジュールを管理しています。
このパターンで起きる問題
- 全体納期調整時に、各班長に個別に変更指示を出す必要がある
- 班長同士の連絡漏れで工程順が崩れる
- 班長が休みのときに、誰もそのシートを触れない
- 班長の独自フォーマットで、他の人が読めない
- 全工場の負荷状況が誰にも見えない
この体制では、納期調整の度に班長会議が必要になり、調整に半日かかることも。営業はその間、得意先に納期回答ができません。
対策:工程順と機械別を切り替えられるスケジューラ
これらの問題の対策として、「部品ごと・工程ごとの工程順と機械別との切替ができるスケジューラ」の活用がおすすめです。1つのデータベースを2つの視点で表示できるツールです。
2つの視点とは
| 視点 | 表示内容 | 主に使う人 |
|---|---|---|
| 部品別・工程別表示 | 部品Aの工程1→2→3→4を時系列で表示 | 営業・計画担当(全体の流れを把握) |
| 機械別表示 | 旋盤・フライスなど機械ごとの作業予定を表示 | 現場・班長(自分の担当機械を把握) |
1つのデータベースから2つの視点を切り替えられるので、納期前倒しが発生しても1回の変更で全画面に反映されます。班長ごとに別シートを管理する必要がなくなり、全員が同じ情報を見られます。
切替できるスケジューラのメリット
- 納期変更の修正工数が劇的に削減:複数シート手修正から1回の操作で完結
- 整合性が常に保たれる:1つのデータベースなので情報のズレが発生しない
- 負荷状況が全員に見える:営業・現場・班長が同じ画面で議論できる
- 属人化を解消:班長が不在でも計画情報にアクセスできる
- 営業からの納期回答がスピードアップ:負荷を即座に確認して回答可能
該当製品:サクっと工程Pro
インプローブの「サクっと工程Pro」(Windows専用)は、製造業向けスケジューラー「工程's」と連携した時間割工程管理システムです。部品ごと・工程ごとの工程順と機械別を切り替えて表示でき、本コラムで解説した課題を解決できます。
サクっと工程Proの主な特徴
- マシン別スケジュール・部品別スケジュールの切替が可能
- 分単位でのスケジュール調整ができる
- 設備や作業者ごとの負荷を可視化
- 「残業時間短縮」「外注費削減」「負荷分散」に有効
- 適用業種:金属部品加工業、治工具製造業、樹脂加工業、金型業、製缶板金業、部品組立業など
サクっと工程Proは、スマホ・タブレット・PC対応の「サクスマ」と連携できます。現場の作業者が手元の端末で作業実績入力ができ、計画と実績のズレをリアルタイムに把握できます。
サクスマは単独使用も可能で、まずはスマホでの作業実績収集から始めるスモールスタートにも対応します。
導入を成功させるための事前準備
スケジューラを導入する際は、事前の業務整理が成否を分けます。次の3点を導入前に必ず整えてください。
- 機械リストの確定:管理対象とする機械の一覧と稼働時間を確定
- 標準工程の設定:代表的な部品の工程順序と工程ごとの加工時間目安
- 運用ルールの合意:誰が計画を立て、誰が修正でき、誰が承認するかのルール
特に加工時間の目安は重要です。「だいたい1時間」では細かいスケジューリングができません。最初は粗い目安でも構わないので、徐々に実績データを蓄積して精度を上げていく運用が現実的です。
まとめ|Excelスケジュールの限界を脱却する
部品加工業のExcel加工機械別スケジュールは、機械数が増え工程が複雑化すると、納期前倒し1件への対応に何時間もかかるようになります。班長ごとに別シートで管理している工場では、調整の度に班長会議が必要となり、営業の納期回答も遅れます。
これらの問題は、「工程順と機械別を切り替えられるスケジューラ」の導入で大きく改善できます。1つのデータベースから2つの視点を切り替えることで、納期変更が1回の操作で完結し、全員が同じ情報を共有できます。
インプローブの「サクっと工程Pro」は、まさにこの課題を解決する時間割工程管理システムです。「Excelスケジュールの修正に追われている」「班長ごとの管理を一元化したい」というご相談、お気軽にお寄せください。
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