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工程管理 / 特急品対応

生産スケジューラで稼働率アップ(部品加工業向け)― 特急品の割込みを自動スケジューラで効率的に処理する方法

部品加工業の工場で頻発するのが、特急品の割込みです。「明日納品でお願いします」「3日以内で対応できますか」――こんな依頼が入るたびに、生産計画担当者は週間スケジュールの再作成に追われ、四苦八苦することになります。
一番良いのは特急品を無くすことですが、お得意様のご要望も聞かないと今後のお仕事にも影響します。現実的には特急品を受け入れながら、いかに効率的に処理するかが課題です。
このページでは、特急料金の設定例、自動スケジューラを使った特急品割込み処理、導入時の注意点をご紹介します。

特急品が多い工場の悩み

部品加工業では、得意先からの特急依頼が日常的に発生します。代表的な悩みを整理してみましょう。

「特急ゼロ」は現実的でない

特急品を完全になくせれば理想ですが、得意先との取引関係を考えると簡単ではありません。
現実的には「特急を受け入れながら、いかに効率よく処理するか」「特急料金で正当な対価を得るか」の2軸で対応するのが王道です。

対策[1]:特急料金を見積に反映させる

まず取り組むべきは、特急対応への正当な対価を見積に反映させることです。特急対応にはスケジュール再作成・他案件のずらし・残業対応など、見えないコストが多く発生します。これを「サービス」で吸収していると、特急が多い得意先ほど利益が薄くなる構造になります。

特急料金の設定例

納期によって見積価格を変えて提出する例として、次のような階段状の料金設定を採用している工場が多くあります。

納期条件 料金アップ率
特急で1日以内 50%アップ
特急で3日以内 30%アップ
1週間以内 10%アップ
通常納期 標準価格

このような納期別の料金体系を見積書に明記しておけば、得意先も納得して特急料金を支払ってくれます。「特急対応はサービスではない」という共通認識を作ることが、健全な取引関係につながります。

対策[2]:自動スケジューラで割込み処理を効率化

特急品の割込みを効率的に処理するためには、自動スケジューラの活用がおすすめです。手作業でのスケジュール再作成と比べて、圧倒的に短時間で正確な再計画ができます。

自動スケジューラの動作イメージ

自動スケジューラ型の生産スケジューラでは、次のような操作で特急品の割込みを処理できます。

  1. 納期の前倒しが必要になった特急品のマシン別工程を選択
  2. カレンダー上で必要な日時に移動させる
  3. システムが自動で割込み以降の工程スケジュールを後ろにずらす
  4. 影響を受ける他の案件・他の機械の負荷状況が即座に再計算される
  5. 遅延が発生する案件があればアラート表示される

手作業なら数時間かかる再作成が、数分で完了します。計画担当者はスケジュール作業から解放され、より重要な判断業務(外注判断、得意先連絡、改善活動など)に時間を使えるようになります。

手作業vs自動スケジューラ:効果比較

項目 手作業(Excel) 自動スケジューラ
特急割込み1件の処理時間 1〜3時間 数分
他案件への影響把握 手作業で全シート確認 自動で再計算・アラート
計画担当者の残業 常態化 大幅削減
納期回答のスピード 翌日対応 即答可能
計画ミス 発生しやすい ほぼゼロ

導入時の注意点:加工分数の正確な事前入力

自動スケジューラを活用する際の最大の注意点は、スケジュール作成の前提となる一個当たりの正味加工時間(加工分数)を事前に正確に入力することです。

これが正確でないと、システムが計算したスケジュールと現場の実態がズレ、現場から「このスケジュールでは無理だ」という不満が出ます。一度現場の信頼を失うと、自動スケジューラは使われなくなります。

加工分数の事前準備チェックリスト
  • 主要な部品の1個あたり加工時間を測定し、データベースに登録
  • 段取り時間(治具交換、刃物交換など)も別途登録
  • 機械ごと・作業者ごとの能力差を考慮
  • 定期的に実績データと突合せ、加工分数を更新
  • 新規部品の加工分数は類似部品から推定するルールを確立

最初から完璧な加工分数データベースを作る必要はありません。主要部品から徐々に整備し、実績データを蓄積しながら精度を上げていく運用が現実的です。

こんな工場に自動スケジューラがおすすめ

すべての工場に自動スケジューラが最適というわけではありません。次のような工場に特に効果的です。

自動スケジューラが効果を発揮する工場
  1. 繰り返し加工と単品受注が混在している工場
  2. 特急品の割込みが週に複数回発生する工場
  3. 多機械・多工程で、計画担当者の負担が大きい工場
  4. 機械停止・作業遅れが発生したときに即座に再計画したい工場
  5. 計画担当者の属人化を解消したい工場

該当製品:サクっと工程SP(スパライシス連携)

インプローブの「サクっと工程SP」(Windows専用)は、自動スケジューラ「スパライシス」と連携した工程管理システムです。機械別ジョブを自動で割付するので、納期回答や割込判断がスムーズに行えます。

サクっと工程SPの主な特徴

サクスマ連携で現場入力もカバー

現場での実績入力には、スマホ・タブレット・PC対応の「サクスマ」をサクっと工程Pro・Previsionと組み合わせることもできます。サクスマ単独使用も可能で、まずは作業実績収集から始めるスモールスタートにも対応します。

まとめ|特急品を「コスト」ではなく「収益機会」に

特急品の割込みは、部品加工業にとって避けて通れない課題です。しかし、特急料金の適正設定自動スケジューラの活用を組み合わせれば、特急品は「コスト」ではなく「収益機会」に変えられます。

特急料金で正当な対価を得て、自動スケジューラで効率的に処理する。この2軸を整えれば、計画担当者の残業も削減でき、得意先からの信頼も向上します。

「特急品の対応に追われている」「繰り返し加工と単品受注が混在していて、計画が大変」というご相談、お気軽にお寄せください。インプローブでは、貴社の業務規模・特急発生頻度に合わせた最適な工程管理ソリューションをご提案します。

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