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システム導入 / ベンダー選定

生産管理システム導入の成否は営業担当のスキルで決まる―5つの見極めポイント

生産管理システムの導入は、製品そのものの良し悪しと同じくらい、提案に来る営業担当者の力量で成否が決まります。
製造業の実務をまったく知らない営業担当者を相手にしてしまうと、現場感覚から離れたシステムを選ばされ、運用開始後に「使えない」と気づくケースが少なくありません。
このページでは、選定段階で営業担当(コンサルティング担当)を見極めるための5つのチェックポイントをご紹介します。

なぜ営業担当のスキルが導入成否を左右するのか

生産管理システムは、財務会計や給与計算と違って「会社ごとに業務内容が異なる」のが大きな特徴です。製品スペックや機能一覧で判断しきれない部分が多く、最終的に「自社業務に合うか」を見極めるためには、提案者との対話が不可欠になります。

このとき、営業担当が次のような状態だと、どんなに優れたシステムでも使われない結果になります。

こうした担当者に当たると、自社業務とのミスマッチを発見できないままシステムが選定され、運用開始後に大きな手戻りが発生します。選定段階で営業担当を見極めることが、導入成功の鍵を握っています。

見極めポイント[1]:製造現場での実務経験があるか

最も重要なチェックポイントは、営業担当(またはSE)に製造現場での実務経験があるかです。

製造業の現場経験がある担当者は、日々の仕事の厳しさを理解しています。たとえば「受注が急に増えた」「ベテラン作業者が休みだった」「設備が止まった」といった現場の事情に応じて、システム上にどんな配慮が必要かを肌感覚で把握できます。

逆に、現場経験のない担当者は、機能の説明はうまくても、現場で何が起こっているかをイメージできません。「この機能を使えば便利です」と言いますが、「現場が忙しい朝にこの操作はできない」といった肌感覚が抜けがちです。

確認のための質問

具体的なエピソードを生き生きと話せる担当者は、信頼できます。逆に「営業として何社か工場を訪問しました」程度の答えなら、現場理解は浅いと判断してよいでしょう。

見極めポイント[2]:生産管理の専門用語をどこまで理解しているか

2つ目のチェックは、生産管理の専門用語をどこまで理解しているかです。一般的な用語をいくつか質問してみて、理解度を確認してください。

理解度チェックに使える代表的な用語
  • 集約型展開型:部品表の展開方式の違い
  • ダブル便発注:仕入先からの2便配送を活用した発注方式
  • カムアップ:手配の催促・進捗確認のプロセス
  • 在庫回転率:在庫管理の代表的な指標
  • QC工程表:品質管理のための工程ごとの管理項目表

これらの用語に対して、具体的な例を交えて説明できる担当者は、生産管理を本当に理解しています。逆に「もう一度確認しますね」と保留が多い、または曖昧な回答しかできない担当者は、要注意です。

専門用語テストの正しい使い方

意地悪な試験のように使うのではなく、自社業務の言葉として自然に話題に出すのがコツです。
たとえば「弊社では引当てが頻繁に変わるんですが…」と話を振って、担当者の反応・追加質問の鋭さを見ます。
本当に理解している担当者は、専門用語の話の流れで、核心を突く質問を返してきます

見極めポイント[3]:個人として何社の導入経験があるか

3つ目は、会社としての導入実績ではなく、目の前の営業担当者が個人としていくつの導入を経験しているかです。

「会社全体で500社の導入実績」と言われても、それは会社の歴史で積み上がった数字に過ぎません。実際に貴社のプロジェクトを担当するのは目の前の担当者であり、その人の個人経験こそが、貴社プロジェクトの質を決めます。

確認のための質問

個人として10件以上の経験があり、業種別・規模別の傾向まで話せる担当者は信頼性が高いと言えます。逆に「会社が500社」は答えるが「私自身は…」と濁す担当者は、新人または知識・経験不足の可能性があります。

見極めポイント[4]:「できないこと」を正直に話せるか

4つ目のチェックは、自社ソフトの限界・苦手分野を正直に話せるかです。これは意外と見落とされがちな、しかし非常に重要なポイントです。

どんなパッケージソフトにも得意・不得意があります。すべてに対応できるソフトは存在しません。「全部対応できます」と即答する担当者は、ソフトを売ることだけを考えているか、自社ソフトの実態を理解していないかのどちらかです。

信頼できる担当者の答え方

質問 信頼できない答え方 信頼できる答え方
「これも対応できますか?」 「もちろんです、全部対応できます」 「基本機能では難しいですが、カスタマイズで対応可能です」
「他社と比べての弱みは?」 「特にありません」 「○○業界のお客様には少し合わない部分があります」
「失敗事例はありますか?」 「ほとんどありません」 「過去にこういう失敗があり、現在は○○で改善しています」

「できない」「合わない」「失敗した」と正直に言える担当者は、貴社のプロジェクトでも誠実に取り組んでくれる可能性が高いと判断できます。

見極めポイント[5]:ヒアリング力と質問の質

5つ目は、担当者のヒアリング力です。優秀な担当者は、自社のソフトを売り込む前に、貴社の業務を深く理解しようとします。良いヒアリングには、機能説明より業務の流れを聞く時間が長い、「なぜそうしているか」背景を掘り下げる質問が多い、複数部署のメンバーと話したがる、聞いた内容を図にして認識ズレを防ぐ、といった特徴があります。

ヒアリング力を見極める質問
  1. 初回打合せで「業務フローを書きながらヒアリングさせてください」と提案してくるか
  2. 業務の表面的な事実だけでなく、「なぜそうしているか」を掘り下げてくるか
  3. 営業以外の部署(設計・購買・現場)とも話す機会を作ろうとするか
  4. 聞いた内容を次回までに資料化して、認識ズレを防ぐか

5つのポイントを比較表で評価する

複数のソフトメーカーから提案を受けたら、機能比較表とは別に、「営業担当評価表」を作るのがおすすめです。

評価項目 A社担当 B社担当
製造現場経験 ○ 5年 × 未経験
専門用語の理解 ○ 自然に説明 △ 一部曖昧
個人導入経験 15件 3件
「できない」を正直に話せる ×
ヒアリング力 ○ 業務フロー作成 △ 機能説明中心

この5項目で評価すると、機能比較表だけでは見えなかった「導入後の現場との相性」が見えてきます。

まとめ|「人」を見て選ぶ

生産管理システムは、製品そのものよりも「誰と進めるか」が成否を分けます。製造現場経験・専門用語の理解・個人導入経験・正直さ・ヒアリング力――この5つの観点で目の前の営業担当者を見極めれば、導入後の失敗を大きく減らせます。

営業担当を見極めるためには、自社主導で選定を進めることが前提です。外部コンサルに丸投げしてしまうと、目の前の担当者を直接観察する機会が失われ、判断材料が薄くなります。自社のメンバーが営業担当と直接やり取りする中で、ここで挙げた5項目をじっくり確認してください。

インプローブでは、20年・480社の導入支援を通じて製造業の現場経験を持つメンバーがお客様と直接対話するスタイルを貫いています。「自社業務を深くヒアリングしてくれる担当者と話したい」「専門用語で会話できるメーカーを探している」というご相談も歓迎です。お気軽にお問い合わせください。

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