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システム導入 / 選定の考え方

製造業は販売管理と生産管理どちらを先に導入すべき?失敗しないシステム選定法

中小製造業の現場では「販売管理システムと生産管理システム、どちらを先に導入すべきか」で迷うケースが少なくありません。
営業部門は販売管理の効率化を優先したい一方、製造現場は生産計画や工程管理の仕組みを求めます。
導入順序を誤ると「データの二重管理」「現場と営業の情報断絶」「追加コストの発生」といった問題が生じます。このページでは、失敗しないための判断基準と進め方を整理してご紹介します。

販売管理と生産管理は何が違うのか

判断の前提として、まずは両者の役割を整理しておきます。似ているようで対象とする業務が大きく異なります。

項目 販売管理システム 生産管理システム
主な対象業務 受注・発注・売上・仕入・在庫 工程計画・手配・進捗・原価
主な利用者 営業・事務・経理 製造・購買・設計・現場
管理する単位 取引(伝票・請求書) 製番・工程・部品
主な目的 取引情報の正確な記録と請求 納期遵守・原価把握・現場の見える化

販売管理は「お金とモノの取引を記録する」システム、生産管理は「作るプロセスを管理する」システムと整理すると分かりやすくなります。

導入順序を誤るとどうなるか

「とりあえず安いほうから」「営業の声が大きいから先に」という理由で順序を決めてしまうと、運用開始後に次のような問題が発生します。

[1] 受注データの二度入力

販売管理だけ先に入れた場合、営業が受注入力した内容を、製造現場が再度生産管理用に手入力するケースが発生します。同じ情報を2回入れる「二度入力」は、入力ミスの温床になるだけでなく、現場の作業時間を大きく圧迫します。

[2] 在庫・納期情報の食い違い

営業と現場で別々にシステムを持つと、「在庫があると思って受注したが、実は無かった」「現場では完成しているのに営業がまだ把握していない」などの情報断絶が起こります。納期トラブルや得意先の信頼低下に直結する重大な問題です。

[3] 追加カスタマイズ費用の発生

後から導入するシステムを既存システムに連携させようとすると、想定外のカスタマイズ費用が発生しがちです。「販売管理を入れた後で生産管理を入れたら、連携部分だけで300万円かかった」というケースは実際によくあります。

特に注意すべきパターン

会計事務所や税理士から販売管理ソフトを勧められて、まず販売管理から導入する中小製造業が多くあります。
しかし、製造業では受注の段階で品目・数量・納期が決まり、そこから生産が始まるため、生産管理側の要件を踏まえずに販売管理を選ぶと、後から大きな手戻りが発生しやすくなります。

判断のポイント3つ

では実際にどう判断すべきか。次の3つの観点で整理してみてください。

[1] どの業務が一番困っているか

まず現状で一番困っている業務を明確にしてください。請求書作成に時間がかかっているなら販売管理、納期遅れが頻発しているなら生産管理、というように、課題の重さで優先順位を決めるのが基本です。

こんな課題があれば「販売管理」を優先
  • 請求書作成に毎月3日以上かかっている
  • 得意先別の売上集計が手作業
  • 仕入先への支払処理がExcelで属人化している
  • 得意先からの掛売・締日対応が複雑
こんな課題があれば「生産管理」を優先
  • 納期遅れ・納期未達が月に複数件発生している
  • 「今どの製品がどの工程にあるか」が現場でも分からない
  • 製品ごとの原価が把握できておらず、利益率が読めない
  • 受注内容が現場に正確に伝わらず、作り直しが発生する

[2] 受注の特性で考える

受注生産か見込み生産か、製品の種類が多いか少ないか、によっても優先順位は変わります。

[3] 一体型システムという選択肢も

近年は販売管理と生産管理が一体化したシステムも増えています。最初から一体型を選べば、二度入力や情報断絶の問題は最初から発生しません。

中小製造業の規模であれば、無理に別々のシステムを連携させるより、最初から一体型を選んだ方がトータルコストは下がるケースが多くあります。

受注生産の工場が取るべき基本方針

結論からお伝えすると、受注生産の工場では生産管理を先に検討するのが基本です。理由は次の通りです。

生産管理を先に検討すべき3つの理由
  1. 受注情報の起点が「製造仕様」であるため、生産管理側の項目設計を先に決めないと販売管理だけでは情報が足りない
  2. 納期・原価・進捗といった経営指標の多くが、生産管理データから生まれる
  3. 販売管理は生産管理に含まれる、または一体型として後から拡張しやすい

個別受注型・多品種少量型の製造業は、まずは生産管理(または販売管理機能付きの生産管理)から検討を始めてください。販売管理単体を先に導入してしまうと、後で生産管理を導入する際に大きな手戻りが発生する可能性が高くなります。

自社主導で順序を決めるステップ

システム選定は外部コンサルに丸投げするのではなく、自社主導で進めるのが結局はコストダウンにつながります。次の4ステップで進めてみてください。

ステップ1:現状業務の棚卸し

営業・事務・製造・購買の各担当者が、現在どんな業務にどれくらいの時間を使っているかを書き出します。Excelで「業務名・担当者・月間時間・困りごと」の4列で十分です。

ステップ2:困りごとの優先順位付け

書き出した困りごとを、「経営インパクトの大きさ」「発生頻度」で並べ替えます。納期遅れによる得意先信頼の損失は、請求書作業の遅れより経営インパクトが大きい、というように整理します。

ステップ3:システムメーカーと直接対話

2〜3社のシステムメーカーに、ステップ2で整理した困りごとを直接ぶつけて相談します。コンサル経由ではなく直接対話することで、自社業務に合った提案を引き出しやすくなります。

ステップ4:実機検証で適合度を判定

有力候補に絞ったあと、自社の典型的な業務データを使って実機検証を行います。販売管理だけ・生産管理だけ・一体型のいずれが自社に合うか、現場担当者の感覚で判定します。

まとめ|まずは「生産管理」から検討

製造業の場合、原則として生産管理を先に検討するのが失敗の少ない選び方です。販売管理機能を含む生産管理システムや、両者を一体化したシステムを選べば、二度入力や情報断絶の問題も最初から回避できます。

判断にあたっては、自社が「個別受注生産か見込み生産か」「多品種少量か少品種大量か」を見極め、現状で一番困っている業務を明確にすることが第一歩です。外部コンサルに丸投げせず、自社のメンバーで業務を整理し、システムメーカーと直接対話することで、選定コストも導入後の運用コストも下げることができます。

インプローブでは、受注生産の工場向けに、販売管理機能を含む生産管理システム「Prevision」をはじめ、規模や業務特性に応じた複数の選択肢をご提案しています。「自社にはどの順序が合うか」「一体型と分離型どちらがよいか」など、選定段階のご相談から承っております。お気軽にお問い合わせください。

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