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システム導入 / 個別受注生産の選定

個別受注生産型 機械製造業(組立業)のための生産管理システム選択アドバイス

個別受注生産の機械製造業(組立業)が生産管理システムを選ぼうとすると、多くの方が壁にぶつかります。
理由はシンプルで、個別受注生産専用のソフトウェアパッケージはあまり多くないからです。市場に並ぶシステムの大半は見込生産向けで、それらが「BTOもできます」「個別受注にも対応します」と謳って販売されています。
しかし実態は、見込生産型と個別受注型では作り方が180度違います。よく吟味せずに選ぶと、運用開始後に深刻なミスマッチが発覚することになります。このページでは、本当に使える個別受注型ソフトの見極め方を解説します。

「個別受注も対応」を信じてはいけない理由

市場に出回っている生産管理パッケージの多くは、見込生産中心の設計思想で作られています。これらが「BTO(Build To Order)もできます」「個別受注生産にも対応します」という形で販売されているのが現状です。

しかし、見込生産型のソフトに個別受注対応の機能を後付けしただけでは、本質的な業務には対応しきれません。部品マスターの事前登録を強制される、BOMが事前確定していることを前提にしている、製番管理機能が後付けのため原価集計が複雑になる、受注時点ですべてのマスタが揃わないと次工程に進めない、といった問題が発生します。

「対応可能」と「使える」は別物

機能リスト上は「個別受注対応」と書かれていても、実際の現場で快適に使えるかは別の話です。
選定時には、自社の典型的な受注パターンで動かしてみて、「無理なく流れるか」を必ず確認してください。

真の「個別受注型生産管理ソフト」とは

では、本当に個別受注生産にフィットするソフトとはどのようなものでしょうか。長年の経験から、私たちは次のように定義しています。

個別受注型生産管理ソフトの本質
  1. 原価管理が中心に据えられている
  2. 部品のマスターに登録しなくても運用が始められる
  3. 製番(製造番号)を軸にすべての情報が紐づく
  4. 受注後にBOMを取り込むことを前提に設計されている
  5. 都度品・特注品の管理が標準でできる

特に重要なのが、「部品マスターに登録しなくても運用できる」ことです。個別受注生産では、毎回の案件で新規部品が登場します。すべてをマスター登録してから運用を始めようとすると、いつまで経っても本稼働できません。

見込生産型と個別受注型は「180度違う」

両者の違いを具体的に整理すると、設計思想がいかに異なるかが明確になります。

項目 見込生産型ソフト 個別受注型ソフト
管理の軸 品目(製品コード) 製番(製造番号)
部品マスター 事前整備が必須 都度登録・登録不要も可
BOM 事前確定が前提 受注後に取り込み
需要計画 MRPで自動計算 製番ごとに個別計画
在庫管理 品目別の数量管理 製番別の引当管理
原価計算 総合原価計算が中心 個別原価計算(製番別)
受注対応 定型仕様の繰り返し 毎回仕様が異なる

この表からわかるように、2つのシステムは「似ているけれど中身は全く別物」です。見込生産型に個別受注機能を「足し算」しても、設計思想の違いは埋まりません。

機械製造業(組立業)特有の管理ポイント

個別受注生産の機械製造業(組立業)には、特有の管理ポイントがあります。これらに対応できるソフトを選ぶことが重要です。

[1] 大日程計画が中心

機械装置を得意先の納期に合わせて製造するため、設計の負荷・組立の負荷を調整した大日程計画が中心になります。1ヶ月〜数ヶ月単位の長期スパンで段取りを組む必要があります。

[2] 物件1件あたりの金額が大きい

例えば1物件1000万円、1ヶ月あたりの売上伝票が10件程度という規模が珍しくありません。件数は少ない一方で金額が大きく、入金管理は製番ごとの個別管理が必須になります。

[3] 設計部門との連携が密接

受注後に設計が始まり、設計完了とともに部品表が確定する流れが基本です。設計のExcel部品表を生産管理に取り込める仕組みがないと、転記作業が大きな負担になります。

[4] 部品手配のリードタイム管理

長納期部品(モーター、シリンダー、特注ベアリングなど)は設計段階での事前手配が必須です。納期と発注予定日を分けて管理する仕組みが必要です。

[5] アフターサービス管理

納入後の製番別(機械番号別)アフターサービス管理ができ、過去のクレーム情報・点検履歴・部品交換履歴が即座に取り出せると、顧客対応の質が大きく向上します。

選定時に確認すべき8つのポイント

個別受注生産の機械製造業向けに生産管理システムを選ぶ際、確認すべきポイントを整理しました。

個別受注型ソフト選定の8つの確認ポイント
  • 製番管理が中心軸になっているか(後付けでないか)
  • 部品マスター登録なしでも運用が始められるか
  • Excel部品表のダイレクト取込に対応しているか
  • 製番別の個別原価計算がリアルタイムでできるか
  • 設計変更に柔軟に対応できるか
  • 納期と発注予定日を分けて管理できるか
  • アフターサービス管理が製番別にできるか
  • 図面・ドキュメント管理が製番に紐づくか

これらを選定段階のデモ・トレースデモで必ず確認してください。「機能としてはあります」と言われても、実際に動かしてみると使い物にならないケースは少なくありません。

選定時に避けるべき3つの失敗パターン

失敗[1]:知名度・実績件数だけで選ぶ

「業界トップシェア」「○○社の導入実績」に惹かれて選ぶケースが多いですが、その実績の多くが見込生産型企業の場合があります。自社と同じ個別受注生産型での実績件数を確認してください。

失敗[2]:機能の多さに惑わされる

MRP、需要予測、ガントチャート――機能が多いほど良いソフトに見えますが、個別受注生産では使わない機能がほとんどです。機能数より、必要機能の使いやすさ・処理速度を優先してください。

失敗[3]:「カスタマイズで対応します」を真に受ける

選定段階で「ここはカスタマイズで対応します」が頻繁に出るソフトは要注意です。本来の設計思想に合わない業務をカスタマイズで強引に乗せると、バージョンアップが受けられない事態になります。

業態特化型パッケージという選択肢

近年は「受注生産の機械製造業(組立業)に特化」したパッケージも登場しています。汎用型と比べて標準機能のフィット率が高く、カスタマイズを最小限に抑えた導入が可能です。製番管理が標準機能の中心に据えられている、業務フローに沿った画面構成、同業種の豊富な導入実績、ベンダーが業界の用語・慣習を理解しているなどが特徴です。

導入は「最低限の機能から段階的に」

個別受注生産でシステム導入する際は、一気に全機能を動かそうとせず段階的に進めるのが鉄則です。組立業の場合、第1段階は部品表取込→発注仕入管理を稼働、第2段階で製番別原価集計、第3段階で在庫管理・引当管理、第4段階で工程進捗管理、第5段階で販売管理・経営分析を追加していきます。

各段階で確実に効果を測定し、定着を確認してから次に進むことで、未稼働リスクが大幅に減ります。

まとめ|「個別受注型」を見極める力を持つ

個別受注生産の機械製造業(組立業)が生産管理システムを選ぶときは、市場の宣伝文句に惑わされず「真に個別受注型に作られているか」を見極める力が必要です。原価管理中心、部品マスター登録不要、製番軸――この3つが揃っていることが、真の個別受注型ソフトの条件です。

見込生産型ソフトを「BTOもできる」という理由で選ぶと、運用開始後に深刻なミスマッチが発覚します。両者は180度違うシステムであることを理解し、よく吟味して選択してください。

インプローブの生産管理システム「Prevision」は、受注生産の機械製造業(組立業)に特化した業態特化型パッケージです。製番管理を中心軸に据え、Excel部品表ダイレクト取込、製番別原価管理、アフターサービス管理まで、個別受注生産の業務フロー全体を標準機能でカバーします。「自社業務にフィットするか確認したい」「現在のシステムが見込生産型で困っている」というご相談、お気軽にお寄せください。

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