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システム導入 / パッケージソフト選定

パッケージソフトの失敗しない選び方―多機能より「現場が使える」が正解

生産管理パッケージソフトのデモを見て「何だかよく分からない」と感じた経験はありませんか?
機能はたくさん紹介されるのに、自社の業務にどう活きるのか見えてこない。そんなソフトを選んでしまうと、結局現場では使われず、Excelに逆戻りする結果になりがちです。
このページでは、なぜパッケージソフトは分かりにくくなるのか、その上で現場で本当に使えるソフトを見極める基準を整理してご紹介します。

なぜパッケージソフトは「分かりにくい」のか

多くの方が生産管理ソフトのデモを見て「分からない」と感じるのには、明確な理由があります。要因は主に4つです。

[1] 説明員が製造業を知らない

ソフトメーカーの営業担当者やSEが、製造業の業務をほとんど知らずに自社ソフトの機能説明だけをしているケースが少なくありません。「この機能を使えば便利です」と言われても、自社業務でどう活きるかが伝わってこないため、聞き手は理解できず、印象に残らないのです。

[2] 既存ユーザーの要望を聞きすぎてコテコテ機能になっている

長年運用されているパッケージは、これまでのユーザー要望を取り込んでいるうちに、機能が肥大化してしまいがちです。1つの目的に対して複数の機能が用意され、画面項目も増え続け、結果として「何をどう使えばいいのか分からない」状態になります。

[3] 対応範囲を広げすぎて「なんでも対応」になっている

パッケージが売れないと感じたソフトメーカーは、「見込生産も受注生産も、部品加工業も組立業もすべて対応します」と適用範囲を広げる傾向があります。しかし、生産形態が異なれば必要な機能も画面構成も全く違うため、結果として「すべて中途半端」な巨大ソフトになります。

[4] 生産管理を知らないSEが設計している

生産管理の実務経験のないシステムエンジニアが、自分の好み・趣味で画面設計をしているケースもあります。技術的には正しくても、現場の業務感覚から外れた設計は、いざ使う段になって違和感が出てきます。

特に注意が必要な「2」と「3」

4つの原因のうち、現場で頻繁に見られるのは「機能の肥大化」「対応範囲の広げすぎ」です。
どちらも一見「多機能で頼もしい」ように見えますが、実際の使いやすさとは逆行します。
多機能であることと、現場で使えることは別物だと意識して選定してください。

「分かりにくい」ソフトを選ぶとどうなるか

選定段階で分かりにくいソフトを選んでしまうと、導入後に次のような問題が起こります。

使えるソフトを見極める3つの判断軸

逆に、現場で本当に使えるソフトには共通する特徴があります。次の3つの判断軸で見極めてください。

[1] 1週間で大枠が理解できるか

使い勝手のよい生産管理ソフトは、1週間以内に大枠が理解できそうだと感じるソフトです。「1〜2回デモを見れば、どこに何があるかは分かりそう」という感覚が大切な指標になります。

パッケージソフトを選定する担当者は、現場の方よりもソフトウェア・ハード・ネットワークの知識が豊富です。システム担当が「覚えるのに2〜3ヶ月かかりそう」と感じるソフトは、現場ではまず使えません

[2] 画面がスッキリしていて、必要な項目だけが揃っているか

デモを見て画面がスッキリしていて分かりやすく、自社に必要な項目・機能が用意されているものが、実際に使えるパッケージソフトです。

逆に、1画面に項目が30個も40個も並んでいて「使う項目だけ入力すればいいです」と説明されるソフトは要注意です。使わない項目が常に視界に入る状態は、入力ミスや操作の戸惑いを生み続けます。

画面の見やすさを判定するポイント
  • 1画面に並ぶ項目は 10〜15個程度に収まっているか
  • 使う項目と使わない項目が視覚的に区別されているか
  • ボタン・メニューが業務の流れに沿って配置されているか
  • 文字サイズ・色使いが現場の年配の方でも読みやすいか

[3] 項目名称の変更・データ連携ができるか

自社の呼び方に合わせて項目名称が変更できること、Excelや既存システムとのデータ連携ができることは、使い勝手を大きく左右します。

機能 具体的な内容 なぜ必要か
項目名称の変更 製番を「工番」に変更など 自社の呼び方とソフトの表記が違うと違和感が残り続ける
マスターデータ取込 得意先・品目を Excel/CSV から一括登録 初期登録の手作業を削減できる
受注データ取込 得意先からの受注情報を取込 EDI 連携や手入力削減につながる
予算・作業実績取込 他システムとの連携 既存資産を活かしながら段階的に移行できる
Excel データ出力 任意の項目を Excel に出力 得意先別レポート・分析資料を自社で作れる

これらの「外部との連携機能」が標準で備わっているソフトは、運用開始後の柔軟性が大きく違います。

デモを見るときの4つの質問

選定段階のデモでは、機能説明をただ聞くだけではなく、自社の業務に当てはめた質問をぶつけてみてください。質問への回答スピードと内容で、ソフトメーカーの実力が見えてきます。

デモで必ずぶつけたい質問
  1. 「弊社の典型的な受注パターン(例:図面付き個別受注、納期2週間、部品点数50点)を入力するとどうなりますか?」
  2. 「この画面の項目を、もう少し減らすことはできますか?」
  3. 「過去の Excel データを、このシステムに取り込めますか?」
  4. 「今のデモで見た機能で、よく使われない機能はどれですか?」

4番目の質問は特に重要です。「全部使われています」と即答するメーカーは要注意です。実態を把握しているメーカーは「実は●●機能は使われないお客様が多いです」と正直に答えてくれます。正直さもソフト選定の判断材料です。

自社で見極めるための事前準備

外部コンサルに丸投げせず、自社の担当者が直接ソフトを見極めるには、事前の準備が大切です。次の3点を済ませてからデモを受けると、判断の精度が格段に上がります。

[1] 現状業務の主要フローを書き出す

受注→設計→部品手配→製造→出荷→請求の流れを、自社の言葉で1枚にまとめます。各工程で「誰が何をしているか」「Excelやノートで何を管理しているか」を簡潔に書きます。

[2] 「これだけは譲れない」要件を3つに絞る

機能リストを作り始めると100個以上になりがちですが、本当に大事な要件は3〜5個です。これがダメなら導入しないという最重要要件を絞り込みます。

[3] 現場担当者をデモに同席させる

システム担当だけで判断せず、実際に使う現場の担当者をデモに同席させてください。現場の率直な「これなら使える/使えない」の感覚は、システム担当の判断より遥かに正確です。

まとめ|「多機能」より「シンプルで分かりやすい」を選ぶ

パッケージソフトの選定では、機能の多さや知名度に惑わされず、「現場が使えるか」という1点で判断してください。1週間で大枠が理解でき、画面がスッキリしていて、項目名称変更やデータ連携ができるソフトが、結果的に長く使われる正解です。

選定にあたっては、外部コンサルを介さず、ソフトメーカーと直接対話するのが効率的です。デモの場で4つの質問をぶつけ、回答の正直さと具体性で見極めてください。

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