部品表や在庫をExcelで管理し続けるべきか?生産管理システムとの使い分け方

機械製造業、特に組立業では、多数の部品や工程を正確に管理することが不可欠です。
そのために「まずはExcelで部品表や在庫をまとめている」という企業は少なくありません。
手軽に始められる一方で、扱う品目や案件が増えると、Excel管理の不便さや限界がはっきりと現れてきます。

では、組立業ではどの業務をExcelに残し、どの業務を生産管理システムに移すべきなのでしょうか。
このページでは、その切り分けの考え方を整理します。


Excel活用の現状

組立業の現場でも、Excelはよく利用されているツールです。 たとえば、以下のような用途で使われています。

Excelを使用する業務 特徴
部品表・台帳管理 少量なら更新が容易、導入コスト不要
進捗把握・日報集計・原価管理 単発の確認や簡易的な分析に有効
システム連携時のCSV変換 ほかのシステムとの橋渡し役として活用


Excel管理の限界とリスク(組立業で顕在化しやすい点)

組立業では部品点数が多く、案件ごとに仕様や納期が変わるため、Excelだけを使っていると次のような問題が発生します。
  1. 手入力の工数・転記ミスが増える
    ・受注生産の生産設備などは、部品表から発注書・仕入先元帳・原価台帳への転記などが必要で、誤記・転記漏れが起こりやすい
    ・製番ごとの入力項目も多く、数量・コード・型式などの転記ミスを招く
  2. 更新頻度の高い部品表は破綻しやすい
    部品追加や仕様変更が頻発すると、更新漏れが発生する
  3. 作業進捗・在庫数の把握がリアルタイムにできない
    誰かが入力するまでデータが更新されないため、最新の状況を把握するのが困難
  4. 入力待ちが発生する
    Excelの更新は一人しかできないため、ほかに更新したい人がいても参照モードになって更新できず、手待ちになる
    手待ちが発生した結果、更新漏れも発生しやすくなる
  5. 属人化による業務停滞
    Excelファイルの管理方法が担当者依存になり、休職や退職でノウハウが失われる恐れがある


システム化が推奨される領域


Excelとシステムを共存させる方法

組立業でExcelを完全に捨てる必要はありません。
ポイントは「適材適所」です。

このように整理すれば、「システム化すべき業務」と「Excelで行う業務」との境界が明確になります。


まとめ:Excelとシステムの「使い分け」こそが組立業の突破口

組立業では部品点数が多く、案件ごとに変動するため、Excelだけで部品表や在庫を管理するのは限界があります。
一方で、レポート作成や一時的なデータ変換など、Excelを利用する場面は残ります。
重要なのは、「どの業務をExcelに残すか」「どこをシステム化するか」の見極めです。
この切り分けができれば、Excelの手軽さを活かしつつ、システムによる効率化と正確性を同時に実現できます。


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