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貴社の生産管理情報の一つとしてお使い下さい。
解決可能な目的No. 1,2,5-1
一般的な工程管理システムは、日毎に進捗管理ができるものがほとんどで、
工程管理システムをはじめて導入する場合によく採用されます。
ガントチャートスケジュールは引けるが、負荷調整(山積み、山崩し)は自動で行えない日別工程管理システムです。
部品毎工程毎の工数把握ができてないので、まずは作業実績の工数を収集したいなどの工場の選択はこのクラスになります。
解決可能な目的No. 1,2,3,4,5-2
もう少しきめ細やかにスケジュールをしたい、機械毎に時間割スケジュールを立てたい、
機械の稼働率を良くしたいなどを解決する時間割工程管理システムで、部品毎工程毎の工数の図面査定ができる工場向けです。
客先からの短納期要望が多いので、まずは負荷を山積みして手動で調整します。
解決可能な目的No. 1,2,3,4,5,6,7
繰り返し受注品が50%を超えてきて、部品毎工程毎の工数は50%以上把握している。
個別生産品もあるが、部品毎工程毎の工数の図面査定ができる工場です。
部品別工程別のマスター登録が可能なので、自動で山積み、山崩しが行えます。
生産形態別ソフト適合一覧
生産形態 | 生産方式 | 工程表の見方 | 対応ソフト |
---|---|---|---|
受注生産 | 個別生産 ロット生産 |
製番毎大日程工程表 部品別工程表 |
![]() |
部品別工程表 機械別部品別工程表 |
![]() ![]() |
||
受注見込混合生産 | 部品別工程表 機械別部品別工程表 人別部品別工程表 工具別部品別工程表 |
||
見込生産 | 製品連続生産 | 製品別完成仕掛数量表 |
特急品の割込み
特急品が多い工場では、週間スケジュールの再作成に手間がかかり、生産計画担当が四苦八苦しています。
一番良いのは特急品を無くすことですが、お得意様のご要望も聞かないと今後のお仕事にも影響します。
既に見積書などに反映されているかと思いますが、
1日以内 50%アップ
3日以内 30%アップ
1週間以内 10%アップ など
納期によって見積もり価格を変えて提出されるところも多いようです。
さて、下記の生産スケジューラ(自動)タイプでは、
納期の前倒しが必要になった特急品のマシン別工程を選択して移動させると、
それに伴って割込み以降の工程スケジュールを自動で後ろにずらします。
スケジュール作成におきましては一個当たりの正味加工時間(加工分数)を事前に入力しておき、
ある程度の精度でスケジュール表を作成しないと現場から不満が出ますので、注意が必要です。
繰り返し加工もあり、単品受注も混在するような工場では下記の生産スケジューラをお勧めいたします。
http://www.smart-go.net/spalysis/
ターミナルサービスとは下図のように、一般的には遠隔地にあるクライアントから通信回線を使用してサーバーアクセスをすると遅くなるので、
クライアントからはキーボード入力情報とマウス情報だけを送信し、サーバー側で生産管理のアプリケーションを動作させて、
結果画面だけをクライアントに返す処理を行います。
欠点としては、サーバー内で複数アプリケーションを動かさないといけないので、
サーバー側に高性能CPUを用意しないと遅くて使えないので、
かなり高額なサーバーが必要になります。(300~1000万円)
一番ベストなのは、クライアント側で軽いソフトを動作させて、インターネットVPN(5000円/月)を使用して、
従来通りのクライアントサーバーで使用できるのが、サーバーも安く(50万程度)一番コストが掛かりません。
クラウドシステムもこれから導入が多くなってくると思いますが、現時点では月額使用料が高すぎるので、
生産管理の分野においては、画面インタフェースの劣化(問合せ処理のレスポンス低下)、
大量データ処理が難しいなども合わせて普及までには時間がかかると思います。
市販の販売管理か、生産管理に付随した販売管理システムか迷うケースがあります。
判断基準としては、下記の3つになります。
1.既存で市販の販売管理システムを使用している。
2.新規で生産管理を検討していて、販売管理システムが入っていない。
3.受注して即、発注、売り上げの取り売り品が多くある。
1.で既存で市販の販売管理システムを使用しているときは、今までの入力されたデータ(3か年月別売上など)があるので、
後から生産管理システムを導入するときは、現在の販売管理システムに連動できる生産管理システムを探して見ましょう。
3.で商社のように受注即発注、売上があるケースは特に市販の販売管理システムをお勧めいたします。
2.で販売管理システムが入っていないときは、下記の売上伝票のように、品番、品名、図番、型式、備考など項目が多く入る
販売管理システムを選択しましょう。
専用伝票を買ってその上に印刷するのではなく、インクジェットプリンタなどで直接印刷できる方が、日常コストが安くつきます。
バーコードを使った作業実績収集で現場に定着出来なかったケースが多くあります。
作業実績収集ができないと、ただの作業指示書発行機になってしまいます。
折角の工程管理、生産管理システムを導入したのに現場での作業実績収集ができないのは、下記の理由があります。
①作業実績入力において、バーコードで作業指示番号入力の後に、工数を手入力しており、作業工数に信憑性がない。
②開始、終了でのバーコード入力ができていて動いてはいるが、多台持ちをしたいときに、工数が按分できない。
③バーコードハンドスキャナを利用しているが、データ貯め込み式の為に、お昼、夕方にデータ収集を行うのを忘れてしまい
リアルタイム性にかけて使わなくなった。
④バーコードハンドスキャナが古くなり、増設を計画したが、現行のバーコードハンドスキャナが廃盤となり、全てを入れ替える必要がある。
よって台数が足らなくなり、作業実績収集ができなくなった。
⑤作業実績収集を行っていたが、管理者が工数を管理していなく、何も改善が行われなかった。よって作業実績を収集する意味がなくやめた。
作業実績収集はいろんなイレギュラーケースが出てきますので、イレギュラーケースに対応しているパッケージソフトを選ぶか、
カストマイズ追加で対処するかが必要になります。
下記のようなWindows8対応のタブレットで作業実績収集を行えば、③、④のケースは問題なく対処できます。
やはりデータのリアルタイム送受信は、Windowsの従来通りのネットワーク接続が最適です。
エクセルで下記のような加工機械別スケジュールを立てている工場がありますが、
多工程の加工機械別スケジュールを立てると、全体納期の前倒しなどがあったときにシート毎に変更しないといけないので、
とても大変な作業になります。
また、各機械グループで班長が違うなどで班長ごとにスケジュールを立てているなどの場合は、
各班長に変更指示をしなくてはいけないので、全体納期調整が一段と大変になります。
図1 | ||
フライスグループ | 旋盤グループ | その他 |
![]() |
![]() |
![]() |
エクセルシート1 担当:A班長 |
エクセルシート2 担当:B班長 |
エクセルシート3 担当:C班長 |
対策としては、下記のようなスケジューラを利用すると、スムーズに調整ができます。
サクっと工程Pro http://www.smart-go.net/sk-pro/
得意先から特注部品の見積依頼がきて競合先と見積比較をされたが、値引き対応と従来の実績による信頼面から何とか受注ができた。
その後、得意先から図面データとともに部品の注文が来て、工場にいつも通り製造指示を行ったが、
納期が短く社内負荷オーバーと言われ、社内工場にて加工ができず、仕方なく外注に出すことになった。
ところが、外注で見積を取ると受注金額より高くなってしまい、その経緯を知った社長に担当営業が叱られることとなった。
このケースは、情報が見えない工場の致命的な問題です。
対策としては、
[1] 受注段階で担当営業が工場の負荷状況を見えるようにする。
負荷状況がわかれば得意先と事前に納期調整ができ、外注に出す必要がなかったケースもありえる。
[2] 社内加工が負荷オーバーと言われたが、負荷状況が一部のメンバーにしか分からないので、他の者が実情を把握できない。
よって他の関係者からも負荷状況が分かるようにし、外注に出さなくていいように、特定メンバーだけでなく複数のメンバーで対策を考える。
などがあります。
対策例 : 生産管理(原価管理)システムとスケジューラを連携させる(下記URL参照)
サクっと工程 http://www.smart-go.net/sk/
一般的なホームページは、自社の会社案内としてホームページを製作していて、
会社概要、既存設備、製品内容などの概要が記載されていると思われます。
ただ、1つの会社にホームページは一つだけと誰が決めたのでしょうか?
例えば1つの会社に20個のホームページが存在することが問題あるのでしょうか?
結論:製品(商品)または分類(産業用設備関連、半導体製造装置関連、機械修理関連)ごとに1つずつホームページを製作しましょう。
そして1つずつにSEO対策(http://seo.improbe.jp/jyouihyouji.html)にてYAHOO、グーグルで上位に表示されるようにしてください。
たとえば下記の
[1]会社案内
[2]産業用設備
[3]半導体製造装置
[4]機械修理
4つのホームページを製作した場合、
SEO対策にて[1]は キーワード「○○工業株式会社」で20位以内に検索結果表示
[2]は産業用設備関連なので、キーワード「東京 産業用設備」で20位以内に検索結果表示されるようにします。
同様に[3]は「東京 半導体製造装置」
[4]は「東京 機械修理」にて検索結果表示されるようにします。
このように1つだけのホームページではなく、複数のホームページを持てばSEO対策がし易く、
またそれぞれが上位表示することによりクリック数も上がります。
受注量が多いときは多少の納期遅れ、欠品はまだ許されましたが、
この景況下では小さな修理部品一つの納期遅れ、欠品も取引停止の原因になります。
小さな修理部品一つでも確実に客先にお届けすることで、信用が高まり他社に移り変わる気持ちをなくすことができます。
ベーシックな対策方法としては、現品票を使いバーコードリーダーでの受入を行い、受入ミス、入力ミスを無くします。
現品票を必ず添付してバーコードリーダーでの受入を徹底いたします。
進捗状況を工程ごとに確実に掴み納期遅れの場合は即対応をいたします。
下記に工程進捗の参考画面がありますが、納期遅れの場合は納期が赤色に変わり納期遅れを示します。
バーコードでの受入は、下記の動画イメージのようにすばやく確実に受け入れできる入力方法を採用いたします。
バーコード入力動画をダウンロード(約2.9MB)
中小企業における生産管理システムの導入費用は、平均的に800万~1500万くらいをかけている企業が多いようですが、
この景気状況においては上記導入コストは大きな負担になります。
よって下記に導入コストを下げる方法をアドバイスいたします。
まず生産管理システムの導入費用内訳を見てみると、下記のような内訳になります。
[1] 現状分析費用 | 生産管理システムメーカー側が、貴社の現状がわからないので打合せをして内容を確認する費用になります |
[2] コンサルティング費用 | 現状分析後に最適な生産管理システム運用方法と、組織を提案してもらい業務改善をしていく費用になります |
[3] 生産管理システムパッケージ費用 | |
[4] カストマイズ費用 | 生産管理システムパッケージが貴社の業務と一部合わないので、追加でプログラムを作ってもらう費用になります |
[5] 教育費用 | |
[6] サーバーなどのハードウエア費用 | |
[7] 環境構築費用 | 環境構築費用は、サーバー、クライアントにソフトをインストールし、ネットワーク構築をする作業になります |
導入コストを安くするには、
[1]現状分析費用
[2]コンサルティング費用 [4]カストマイズ費用 [5]教育費用 [7]環境構築費用
などのサービスを受けない基本方針にいたします。
解決方法は、導入前に生産管理システムパッケージ(製品)を貸出してもらうことにより全てが解決できます。
使えそうな2~3社ほどの生産管理システムパッケージを貸出ししてもらい、マスタ登録方法(得意先マスタ、仕入先マスタ、品目マスタ)と
発注までの流れの説明を聞いて1~2日ほど自分で触ってみます。
このときに1~2日教育を受けてさっぱりわからない生産管理システムはもともと適合していないのですぐに返却してください。
部品表から発注、仕入、作業指示、完了など日常の動作の確認をいたします。
カストマイズ項目があまりにも多すぎて、使いづらい生産管理システムも適合できていないのですぐに返却してください。
また、入力項目が多すぎてエンターキーで飛ばす回数が多い生産管理システムは、とても使いづらいのでこれも返却対象とします。
最後に残った生産管理システムをもとに、現在の業務がどんな風に変わるのかを業務フローなどを作成して関係者を説得いたします。
環境構築に関しても、サーバークライアントでのネットワーク接続は自社で行い、サーバーインストールとクライアントのインストールは
1台分のみに絞込み、あとは自社で行う交渉を行います。
[5]教育費用も最低限に絞り込めば、全体価格が1/3になります。
単品加工業とは、得意先から図面が支給され特注で部品加工をしている工場になります。
受注した部品の中では一部繰返しもあるようです。
このような単品加工業では、受注した部品が月に何百、何千となりますので、部品の納期管理、加工工数管理が必要になります。
最近の傾向として、得意先が管理工数を減らすため、まとめ発注をしてくるケースが増えており、
一品毎の単品管理でなく、複数部品をまとめた単位(製番)で管理する必要性も出てきました。
得意先からは、一つの機械に取付ける複数の部品だからまとめて納入してくださいと依頼されます。
このまとめ納入がしっかり行なえれば、得意先からはさらに信頼が高まり、発注量も増えてきます。
下記のURLで単品部品受注の流れと、複数部品受注の流れを示しておきます。
単品加工業 http://www.across-go.net/kakou/
組立業 http://www.across-go.net/
個別受注生産を行う企業の在庫評価については、半製品については仕掛在庫評価(製番仕掛在庫)を行い、
共通部品については最終仕入か、総平均法、移動平均法などにより在庫評価をいたします。
共通品在庫については、製番紐付きでなく、品番(社内品番)で発注仕入を行うことにより在庫をプラス計上いたします。
組立をする前には、共通部品払出にて、在庫をマイナス計上し、半製品(製番仕掛在庫)への在庫振替が行われます。
この共通品から、半製品(製番仕掛在庫)への在庫振替をする作業を、在庫点数が多い場合に手作業で行なうと非常に大変になります。
共通品在庫を多く持つ工場では、この処理をシステム化をすることにより、
資材担当は納期督促、価格交渉、VE、VAのための工数を作り出すことができます。
生産管理パッケージソフトのデモを見て「何か分からない」と多くの方が思われています。
要因としては、
[1]説明員が製造業を知らなくて、自社のソフトの機能説明だけをしている。
[2]生産管理パッケージソフトが、今までのユーザーの要求を聞きすぎてコテコテの機能になっている。
[3]パッケージソフトが売れないので、見込生産も受注生産も、部品製造業も、組立品製造業も何でも対応できるパッケージ ソフトに範囲を広げた結果、わけのわからない膨大なソフトになった。
[4]生産管理を知らないSEが自分の趣味で設計した。
特に[2]、[3]についてはいろんなところで話を聞きます。
パッケージソフトを選定する立場からすれば、いろんな機能があるのはいいが、 覚えるのに1~2か月かかり大変だなという印象を持ちます。
使い勝手のよい生産管理ソフトは、1週間以内に理解できそうだと感じるソフトです。
パッケージソフトを選定される方は、現場の方よりも、パッケージソフト、ハード、ネットワークの知識が豊富なので、その人が覚えるのに1~2か月掛かりそうなものは現場ではまず使えません。
デモを見て画面がスッキリとしていてわかりやすく、自社に必要な項目、機能が用意されているものが本物のパッケージソフトです。
その他、項目名称の変更、マスターデータ取込、受注、予算、作業実績他のデータ取込、エクセルデータ出力など 他システムとの連携ができるとさらに使い勝手が高まります。
売上10億程度の個別受注型企業では、装置としての売上伝票が月に約10枚程度(平均800万×10枚=8000万)、
部品サービス としての売上伝票が約30枚程度(平均10万×30枚=300万)となります。
装置売上については10枚程度で手書きでも対応できますので、販売管理を使うのは部品サービス販売が中心になります。
お客様から修理依頼が発生し、部品交換だけで済むケースでは、部品の取売販売か在庫出庫になります。
よって、受注即、在庫引当、発注、仕入、売上が連動できると便利になります。
サービスが伴う場合は、最初に見積提出してからとなりますので、見積、受注、発注、仕入(部品が必要なとき)、売上が連動できると 便利になります。
市販の販売管理では、見積した時のデータを、受注入力時に連動することができ、同様に受注から発注、仕入、受注から売上と2度入力なく使うことができるので、部品サービス販売は、市販販売管理が最適です。
また、装置部門と部品サービスの部門が分かれているケースも多く、部門別売上集計も当然簡単にできます。
出荷伝票、売上伝票フォームも自社フォームで自由作成する機能もあり、自社にフィットさせて使うことができます。
パッケージシステムを入れるときには、選択方法が難しく下記のような機能比較をして検討をすることが多くなってきました。
ただ、同種のパッケージシステムは似たような機能を持っており、機能を○、×、△など2次元で評価しても、
大きな違いがあるということがなくなってきました。
機能 | A社 | B社 | ||
見積システム | △ | エクセル利用 | ○ | 見積システム利用 |
予実積管理 | ○ | 四要素でわかりやすい | △ | 四要素に集計が別途必要 |
図面管理 | ○ | 標準対応 | × | 図面管理を別に利用 |
過去の部品表コピー | ○ | 標準対応 | ○ | 標準対応 |
部品表取込 | ○ | 標準対応 | ○ | 標準対応 |
バーコード管理 | ○ | 標準対応 | ○ | 標準対応 |
在庫管理(総平均法) | ○ | 標準対応 | △ | 移動平均 |
ロットトレース | × | できない | × | できない |
原価差額管理 | ○ | 標準対応 | × | できない |
配賦 | ○ | 標準対応 | × | できない |
社内で一番コンピュータに詳しいあなたが、社長から「業務改善の為、新システム導入を検討しなさい」と命令されたときの
ワンポイントアドバイスになります。
[1]経営者ヒアリング
まず経営者としてどんなことを狙いとして新システムの導入をするのかを、具体的に聞き出しましょう。
納期遅れに対して困っているのか?
受注は増えたが、利益が出ないことが気になるのか?
情報共有ができていないことによる損失が多いと考えているのか?
社員の原価意識が足らないことが気になるのか?
支払金額の変動が多く資金繰りが気になるのか?
など様々なことを考えて日々の経営を行っています。解決したい課題に順位をつけてもらいましょう。
[2]現場ヒアリング
各部門長と業務のメインとなる担当者にヒアリングを行います。
現場では、日々の仕事で何が問題なのか?どのようにして解決したいと思っているのか?などのヒアリングを行います。
他に、コンピュータシステムとは関連しないことでも問題があれば参考にヒアリングをいたします。
[3]業務フローを作成
下記の図のように業務の流れを書いて、問題箇所を顕著化します。
現場で問題となっていることが、コンピュータシステムを入れて解決するのか、現在のシステムを運用改善すれば解決するのか、
またはルールの取り決めで解決するのか?外注先などとの交渉で解決するのか?などの解決策を考えて行きましょう。
あくまでもコンピュータシステムは問題を解決するための道具であることを忘れないでください。
また、解決するときににも現場と相談しながらて進めてください。
システムを使うのは現場です。一人でも反対者が出れば、システムは稼動しません。
個別受注型製造業では、毎回特注仕様となるため部品マスター登録を行っても再利用できないのが現実です。
よって、類似仕様の注文が来たときなどの単価検索には、過去の仕入履歴を利用します。
この単価検索で必要なデータを引出すには、約5年間くらいの仕入データの保持が必要です。
世の中の生産管理システムは沢山ありますが、検討対象の生産管理システムが、約5年間の仕入データ履歴をもてるのかを確認する必要があります。
さらに、重要なのは処理スピードです。
下記のように毎月の仕入明細が10,000件くらいあるとすると、5年間では600,000件のデータを保持しなくてはなりません。
検討対象の生産管理システムが、一つの部品を登録するのに数秒かかるとか、少量のデータの印刷で十数秒かかるとか、
500点くらいの部品同時登録で、数分かかると言うのは2~3年するとあまりにも遅すぎて使えなくなるなります。
購入前の説明段階で操作スピードが遅くイライラするシステムは、購入後に使用し始めるとデータが多くなるので、さらに遅くなります。
毎日使う道具として遅すぎるのは、検討対象から外した方が無難です。
標準ユニットを持っているが客先に合わせて搬送装置などを特注するケースでは、
標準的なユニットの部品表を持っているので、簡単に発注したいという要望があります。
システム化されていないところは、エクセルで作った部品表を台数がけしてファクスにて発注しているケースが多く、
システム化されているところでは部品マスタを一つずつ登録してユニット構成を登録して、
在庫数をセットしてなど非常に手間をかけてマスター登録しているケースが多いようです。
ただし、この標準ユニットは設計変更が多いのが現状です。
エクセル部品表を部品マスタ、部品構成マスタの代替として直接システムに取込み、
即発注できる方が設計変更が多い現場のニーズが合っているようです。
生産管理システム導入で、失敗をしたお客様からよくお聞きする原因のひとつですが、
生産管理業務をよく知らない営業担当から購入したので、意向が伝わらずに稼動できなかったいうことがあります。
老舗の生産管理パッケージメーカーだから大丈夫だろうと判断したことも原因になっています。
生産管理システム販売に携わる営業担当が、徐々に世代交代の時期に入っており、新人への引継ぎが必要になってきています。
生産管理システム販売に関する必要な知識としては、現場経験、生産管理の一般知識、自社ソフトの知識、会社経営に関する知識など
膨大な知識が必要になります。
この知識を吸収し、お客様に対して的確な指導を行うまでには少なくて10年の期間が必要なので、未熟者が多い現状です。
自社の生産管理導入を成功させるために下記のポイントをチェックして、 営業担当(コンサルティング)をうまく選別して行きましょう。 |
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製造現場での実務経験があると、日々の仕事の厳しさを理解して システム上に配慮することができる。 |
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集約型展開型、ダブル便発注、カムアップ、在庫回転率、 QC工程表などの一般的な質問をして理解度をチェック。 |
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会社として何社の導入経験があるかではなく、 目の前の営業担当が何件導入してきたか?をチェック。 |
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仕訳の基本知識ではなく決算書が読めるか?をチェック。 |
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自社の生産管理パッケージソフトの標準的な説明ができるのは当然だが、 質問点を的確に答えられているか?をチェック。 |
見込生産、個別生産両方が対応できるERPソフトが普及されていますが、大変高額となるため最近では
見込生産、個別生産ごとに別々のソフトを導入するケースが多くなりました。
ただし、下記の図のように見込生産用、個別生産用ともに生産管理ソフト提供側の販売仕入管理を導入すると、
同一得意先に対して別々の事業部から同時期に請求がでます。
また同一仕入先に対して事業部ごとに仕入集計を行うので合算が必要などの問題点が残り非常に不便になります。
よって解決策としては、メインの生産管理システムに売上、仕入データを統合するか、販売仕入管理を市販のソフトで統一することにより、
事業部別、売上仕入集計がスムーズに行え月次処理が早くなり経営判断が早く行えるようになります。
原価計算の仕方には皆さんご存知の通り個別原価計算と、総合原価計算の2通りに大きくわかれ、
個別受注型製造業においては当然、個別原価計算となります。
総合原価計算は、
■単純総合計算
■組別総合原価計算
■等級別原価計算
■工程別総合原価計算
など製品の生産形態により選択していく必要があり煩雑ですが、個別受注型製造業の個別原価計算は非常にシンプルで、
単純に工事番号または製造番号毎にかかった原価を振り分けるだけですね。
しかし、予定賃率、配賦方法、原価差額処理の方法は細かい内容では公認会計士の先生方毎に考えが違うことが多いです。
また、管理会計と、財務会計との間にこの原価計算が存在することにもいろんな意見が出てくる原因のひとつがあると思います。
実践上の原価計算
昨年度実績において予定賃率を事前に決めておき、個別の工事番号(製造番号)毎に発生した材料費、外注費と
社内の作業時間×予定賃率(アワーレート)と経費を合計算出して、この工事番号(製造番号)毎にいくら原価発生したのかを
単純積み上げして客先から受注した金額、または実行予算と比較して、いくら儲かるのかを管理する管理会計上の原価計算を言います。
経理上の原価計算
工事番号(製造番号)ごとの集計以外に集計期間が必要になります。
材料費と外注費の集計方法については、単純に集計期間の合計(工事番号別)ですが、労務費については、
集計期間の工数に対して予定賃率(アワーレート)で乗算した集計値を、実際に払った給与他の費用にて再算出する必要があります。
個別受注型製造業の場合、原価算出するのに給与を支払った後に労務費、間接費を確定していると、
早くて工事が終わった1か月後しか算出できない状態となります。
それでは実運用として現場がコストダウンの意識なしに工事を進めがちになり、原価意識が徹底できません。
よって結論としては、両方を加味することが望ましいと思われます。
工事番号別(製番別)原価管理表のイメージとしては、原価差額、配賦が別項目として後で算出され原価管理表に追加されるイメージになります。
現場に対しては、この原価差額については個別原価として意識することなく日常業務を進めさせる指示をします。
次年度はこの原価差額が少なくなるようにアワーレートを取決めてください。
配賦の基本的な考えかた
製造するための補助部門、修繕費、建物償却、など様々間接費がありますが、機種別に工場を分けてあるようなケースの場合は
工場毎に間接費を分け、その後、工事番号(製造番号)毎に間接費を配賦いたします。
工事番号(製造番号)への配賦基準については、決められた期間に発生した材料費、外注費、労務費(予定賃率)を元に、
工事番号(製造番号)ごと合計に対して按分する方法が一般的のようです。
このほかに、間接費を最初から予定賃率(アワーレート)に組み込んでしまうところも多いようです。
産業用機械、工作機械、専用機、電子応用装置、制御盤、半導体製造装置、プラント製造、建設設備など各製造業での個別原価管理は、
社内でAccessを使い自作したシステムを使っています。
または売上、仕入、会計は市販ソフトを使い、個別原価は手集計、またはExcel集計にて運用している工場が多い状況です。
どのようにして個別原価計算すればよいのか、一番よい方法はどんな方法なのかなどの質問が時々きます。
一般的な個別原価管理システムがどのようなしくみになっているのかを知るのが一番わかりやすいと思いますのでご紹介させて頂きました。
個別受注型 原価管理システム「アクロス」が、インターネット上で動画説明をするオートデモを配信していますので、
本来個別原価管理システムはどのように行えばよいのかがよくわかります。
(発注仕入データからの原価情報の収集方法、使用在庫からの原価情報の収集方法、作業実績からの原価情報収集方法、原価の分類方法などが明確になります)
自社で原価管理システムを構築するときにも非常に参考になりますので、まずは7分間の動画説明を見て参考にしてみましょう。
組立作業計画は、組立作業現場にて差立板などで手書きにて指示しているケースが多いのですが、
下記のように「ガントチャート がんすけ」で書くと見やすくなります。
翌日以外の週間、月間などの計画がCRT上で確認できるので、各作業者がどんな予定を進めばいいのかを把握することができます。
作業者が家族サービスをしたいのに詳細作業日程が翌日分しか出ないので、日程が立てられないなどの不満を解消することができます。
毎日の職場を明るくするには詳細の予定情報を提供してあげることが必要です。
例 がんすけでの組立作業計画表
がんすけのホームページ (下記URLよりダウンロードができます)
http://gansuke.across-go.net/index.htm
昨年度(2004/1/16)のワンポイントアドバイスにて、
「個別受注生産形態のお客様から、生産計画についての要望で、手書きイメージで簡単に下記のようなガントチャートを描きたい、
来月の負荷状況を知りたい、来月の生産予定金額を知りたい、山積みしてから自動で崩したい」などの要望をお聞きするにあたり、
私も以前、現場で生産計画を立てていた経験から個別受注対応の生産計画を簡単にできる方法はないかと20年ほど探し続けていますが、
なかなかいい物がありません。
とお話をしておりましたが、なんと2,000円という破格なお値段で手書きイメージのスケジュールが立てられ
負荷の山積みができるソフトを見つけました。
個別受注生産の企業では、基本的に在庫を待たない原則から在庫管理を行うので、見込み生産の企業の在庫管理と少し違ってきます。
在庫分類別に在庫管理に必要なポイントを記載しますので、生産管理パッケージソフト検討などにお使いください。
個別受注生産の工場では、部品の各工程
(例 1工程目 材料購入、2工程目 MC加工、3工程目 セーパー・・・・・)が毎回違うことが多く、
製作してみないと正確な実工数が把握できません。
よって当初希望した納期通りに各工程が進むことは難しくなり部品納期も遅れがちになります。
次回以降にアドバイスをしようと思っていました部品工数査定と関係してきますが、
部品加工例としてスプロケットを製作するのにも、丸棒荒削り、中ぐり、歯切り、熱処理、仕上げ、C加工、メッキ他の工程が発生します。
汎用旋盤で行うのかNC旋盤で行うのか?数量はいくつ製作するのか?他のいろんな条件で加工時間が違ってきます。
加工時間が違うということは、製作納期にも関係してきます。
よって製作指示は、ある程度曖昧にして実績をしっかり掴んで納期遅れが発生しないかを常に確認する必要があります。
(ひとつの部品が製品組立するときの最優先機能部品であった場合には組立ができなく作業が中断されてしまいます)
工程進捗管理システムを運用するときには最初はできる限り工程を粗く(例 機械加工、外注加工)して始めましょう。
最初から詳細の加工工程(例 丸棒荒削り、中ぐり、歯切り、熱処理、仕上げ、C加工、メッキ他)を指示すると
実績入力が大変になり作業者が入力しなくなる可能性があります。
また、現場端末(POP)での実績収集も簡単で効率化ができますが、
最初は原始的でもますは旧来どおりの作業指示書を出して回収する方式をお勧めいたします。
個別受注生産の工場でも、特定機種について2~3か月に1回など断続的な繰り返し生産となる場合は、
当然ながらまとめて生産したいという要望が出てきます。
ただし、断続的な繰り返しであり、見込み生産ではないのでMRP(Mterial Requirement Plannining 資材所用計画)
機能を利用して在庫前提で生産することは困難になります。
このような場合には、内示製番の運用となります。
メリット、デメリットの両面がありますので注意してください。
内示製番の運用方法は、受注した物件(製番)をまとめて、工場側にて内示製番(仕込み製番)を発番し、まとめて生産いたします。
下記のように、例えば同じ機種が4月末1台、5月末2台、7月末2台、8月末1台と受注された場合に
通常の個別受注生産の場合は下記の表1のようになります。
製番 | 機種 | 納期 | 製作台数 |
---|---|---|---|
200504001 | 搬送ロボット タイプA | 4月末 | 1台 |
200505001 | 搬送ロボット タイプA | 5月末 | 2台 |
200507001 | 搬送ロボット タイプA | 7月末 | 2台 |
200508001 | 搬送ロボット タイプA | 8月末 | 1台 |
内示製番 | 機種 | 納期 | 製作台数 |
---|---|---|---|
X001 | 搬送ロボット タイプA | 4月末 | 3台 |
Y001 | 搬送ロボット タイプA | 7月末 | 3台 |
結論としては、内示製番の処理は極力使わない方が個別受注生産形態には適しています。
どうしても内示製番を使わないといけない場合は、外注先、購入先に協力依頼をして
納入前に必ず個別製番単位に梱包、又は袋詰めをして頂けるよう協力依頼をしていき社内の手間を少なくする方法を考えて行きましょう。
個別原価計算において材料費・外注費に関しては直接原価として、各製造命令書毎に集計される原価になります。
労務費についても予定賃率×作業時間で正確な値ではなくとも集計できます。
(間接労務費に関しては、「個別原価計算での労務費の計算」で説明したように直接労務費に含めた計算を行うことが出来ます)
問題は製造間接費です。
これは複数の製造命令書にまたがって発生する原価なので、直接集計することが出来ないため、
適当な基準を設けて各製造命令書に配分する必要があります。
この配分することを配賦といいます。
製造間接費には固定費(建物や機械の償却のような一定額で発生する費用)と
変動費(水道光熱費や燃料など操業度によって変動する費用)に分けられます。
配賦計算を行うには、配賦基準として
[1] 相関性(比例性)・・製造間接費の発生と比例関係にある配賦基準であること
[2] 経済性・・・・・・配賦基準の数値を容易に求められることがあり、実際の配賦基準の種類として
1. 金額基準
(ア) 直接材料費基準
(イ) 直接労務費基準
(ウ) 素価(直接材料費と直接労務費との合計)基準
(エ) その他原価額基準
2. 物量基準
(ア) 生産量基準
(イ) 直接作業時間基準
(ウ) 重量基準
(エ) 機械作業時間基準
などがあります。
会計上の製造原価報告書で記載される労務費は、実際の給与などで支払った金額と
退職金引当や社会保険料などの合計で記載されています。
原価管理を行う上では、実際の給与が確定するまで労務費がわからないのでは、
仕掛途中で原価を見ても正確な原価ではなくなってしまいます。
そこで、一般的には予定賃率を決めて、その予定賃率×作業時間で算出した労務費を原価管理上の労務費として原価計算を行います。
予定賃率の種類としては
に分けることが出来ます。
又、厳密な会計上の原価計算では、予定賃率で計算するのは直接労務費で、間接労務費に関しては配賦計算を行うのですが、
この方法では仕掛途中の原価が配賦計算前では低く計上されてしまうため、
直接労務費と間接労務費の合計で予定賃率を算出する方法をお勧めします。
個別受注型生産管理システム導入前に必ずチェックしないといけない事項のひとつに各項目の桁数チェックがあります。
導入後にトラブルになるケースで、見込生産型の生産管理システム(ERPシステム)で個別受注生産もできますよというパッケージシステムは、
部品を特定する項目が品番と品名しかなく、型式、メーカー、材質項目が用意されてないなどのケースがあります。
なぜならば、見込生産の企業では全ての品目について略称化され、社内品番、品名で指示伝達が充分できるので、それ以上の項目は必要としないのです。
個別受注型企業は毎回、品番、品名、型式他が変わるので多くの入力項目が必要です。
機械製造 | 制御盤製造 | 電子装置製造 | 金型製造 | プラント製造 | |
---|---|---|---|---|---|
製造番号(工番) | 英数10桁 | 英数10桁 | 英数10桁 | 英数10桁 | 英数10桁 |
品番(品目コード) | 英数20桁 | 英数20桁 | 英数20桁 | 英数20桁 | 英数20桁 |
品名(名称) | 英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
型式1(仕様1) | 英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
型式2(仕様2) | ― | 英数40桁 (漢字20桁) |
英数40桁 (漢字20桁) |
― | ― |
メーカー | 英数20桁 (漢字10桁) |
英数20桁 (漢字10桁) |
英数20桁 (漢字10桁) |
英数20桁 (漢字10桁) |
英数20桁 (漢字10桁) |
材質 | 英数20桁 (漢字10桁) |
― | ― | 英数20桁 (漢字10桁) |
英数20桁 (漢字10桁) |
数量 | 小数点以下3桁 | 小数点以下2桁 | ― | 小数点以下2桁 | 小数点以下3桁 |
単価 | 小数点以下2桁 | 小数点以下2桁 | ― | 小数点以下2桁 | 小数点以下2桁 |
これからシステム導入を検討されている貴社は、導入検討から稼動までの社内体制をどのようにすればよいか迷われることが多いかと思います。
経理システム、給与システムについては各担当者がいるので、その担当が独自で進めて行っても問題なくシステム導入し、
無事稼動できるようになると思いますが、生産管理については多くの部署に関連するので担当者任せでなく
導入のためのプロジェクトを組むことになります。
ただ、この導入プロジェクトを組むまではいいのですが、無事に稼動できないところが多いのです。
上記のように関係部署の責任者の方に必ずプロジェクトメンバーとなって頂きます。
プロジェクト責任者は当然、社長です。
プロジェクト担当は、自社で生産管理システム構築をする場合はシステム設計、プログラムの経験者ですが、
業務経験の少ないシステム設計者、プログラム経験者であれば、プロジェクト担当の上に業務経験のあるプロジェクトマネージャーを置いてください。自社で開発しないソフトメーカー任せの場合は、業務の精通者をプロジェクト担当にしてください。
「コンピュータを知っているからきみがプロジェクト担当だ」これが失敗の原因の一つめです。
また、プロジェクト責任者の社長は毎回の打合せに全て出る必要はないのですが、
「組織を変更する」「業務を変更する」「業務を改善する」最終決定者ですので、
2~3回の打合せに1回くらいのペースでプロジェクトの内容、進み具合をチェックする上で必ず参加することが必要です。
これを担当者任せにするのが失敗原因の2つめです。
ご自分の会社の守備体制を構築するのに、わからないと言って担当者任せにするといつまでも儲からない企業となってしまいます。
どこで儲けるかのからくりは、社長が自ら考えないといけないと思います。
投稿される相談内容で多いのが、どの生産管理システムがよいのかという内容と同時に
MRP(Mterial Requirement Plannining 資材所用計画)を持ったシステムがよいのかとよく聞かれます。
これはお客様ごとに内容が違うので、お話を聞いてみないと判断できませんとお答えしています。
MRPをご存じない方にまず簡単に説明しますと下記の順になります。
[1]製品に対して階層をもつ子部品を展開して総所要量(展開した結果の必要な数量)を求めます。
[2]総所要量から在庫数(計画在庫はプラス)を引いて正味所要量(在庫を引いたあとの必要な数量)を求めます。
[3]製作リードタイムを加味して納入日をセットする。
[4]発注ロットのまとめをする。
[1]貴社の工場は製品在庫を持っているのか?
[2]貴社の工場は部品在庫、又はユニット在庫を持っているか?
[3]経営者が今後見込生産にしていきたいのか、受注生産にしていきたいのか、混合か?
[4]個別原価管理か総合原価管理か?
お客様に対して構想図、又は仕様書を作成して見積を提出して無事受注となりました。
次に工場の関係メンバーに依頼し製作してもらう場面となりました。
正式に取れた受注金額はこれだけですと工場関係メンバーに伝え、詳細設計に入ってもらうのですが、
ここで工場側の実行予算を立てないところが意外と多いのです。
工場が忙しいのは当然わかりますし、作り手側に早くいいものを作ってもらいたい営業の気持ちはわかりますが、
受注金額の15%オフなどの実行予算を必ず立てましょう。
理想的にはさらに発注前の金額を確定して、受注金額もしくは実行予算を比較し承認をとり発注する癖作りができればすばらしいと思います。
「理想ばかり言うな」とよく言われます。
現場をやってれば上記のような運用では納期に間に合わないことはよくわかります。
ただし、私は資材課という立場で現場を自分で行った経験上できる可能性があると思います。
逃げる策としては受注金額は当然入力できますので、実行予算は算出しない、発注も0円発注として仕入を順次行っていき、
仕入又は労務費計上により実績原価を毎週管理者の方がチェックしていく方法があります。
ただ、発注して入ってきてしまった仕入部品が高かったときは返品することもできません。
入荷後は値段交渉にも限界があります。
よって製番(工事番号)ごとに納期に余裕があるものは実行予算、発注前の金額チェックを徹底し、納期上だめなものは
値決めは後での両報のパターンになると思います。
仕入したあとに値決めするか、発注前に値決めするか工数は一緒のような気がしますのでできるがぎり事前に決められる体制にもって行きましょう。
事前に値決めできれば当然利益が確保できます。
最近のCADシステムは、OLE対応のものが多くなりました。
簡単に言うと、エクセルにて作成した部品表をCAD図面に貼り付けることができるということになります。
従来は、CADの中で組図右下などに部品表を書き込んでしまいベクトルデータなのでテキストデータに変換しにくいなど問題がありましたが、
OLE対応であれば図面はCADで、部品表はエクセルで作っておき、あとでCADに部品表貼り付けて部品表付きの組図を完成させることができます。
(上記のOLE対応CADに一刻も早く変えて頂きたいと願っております)
この方法で図面作成ができるのなら後は、生産管理システム、又は購買システム側にC,S,V形式にてデータを渡すだけです。
当然、新規出図、修正、変更などのいろんなケースがありますが、
承認ルールとデータ受け渡し方法の取決めさえすればすればうまく運用ができるはずです。
設計の部品表データを生産管理システム側又は、購買システムに受け渡しができると
①転記ミス、入力ミスがなくなります。
②データ入力工数が大幅に削減できます。
見込み生産企業については、部品マスタで部品コード、部品名、型式、ロット、発注点、仕入先・・・・・など
たくさんの必要項目が入りますのでマスター登録が必要ですが、個別受注形態は在庫品以外は2度と使うことがない部品が多く、
部品を毎回マスター登録をしていては仕事になりません。
「個別受注形態での設計データは現場に直接流す」これが基本です。
生産管理システム、ERPシステムを導入して未稼働となっている原因のひとつに
パッケージソフト全てを一度に動かさないといけないと勘違いして全員参加のプロジェクトにて強引に押し進めてしまったケースがあります。
システム導入前のソフトパッケージ検討中のお客様で、たくさんの機能がついているソフトパッケージを選択して購入するという方がいました。
私はまた未稼働のお客様が増えそうだなと感じていました。
パッケージソフトは普及されてから5年以上たつものも多く機能面においては既に成熟しています。
ただし、、成熟していないのはそれを使う人なんですね。大変失礼ですがご高齢のかたもいらっしゃいますし、新入社員のかたもいらっしゃます。
導入担当の方は能力がある方が多いのですが実際の現場はそういうわけには行きません。
現在システムが何も入っていないお客様は下記の導入方法のようにステップアップしていくことをお勧めいたします。
そして、パッケージソフトとしては機能のあまりついてない基本的なものを選択された方がいいと思います。
例えば、個別受注生産のお客様では、生産管理システム、ERPシステムとまで必要なく、まずは部品表から発注仕入管理だけでもしっかり立ち上げる。
また、見込生産のお客様もマスター整備して発注仕入管理をまず稼動させるなど最低限で一番効果のある部分を稼動させることをお勧めいたします。
現在、既にオフコンまたはオープン系でシステム構築されている方は、
現在のシステムが本当に効果があるのか当初の目的にあっていたのかの検証が必要です。
システム導入前に比べて金額に換算して具体的にいくら効果があったかを算出しましょう。
そして、次のステップに進むとは具体的にいくら効果がありどこまで目指すのかを考案して行きましょう。
この場合も選択するパッケージソフトは基本的な機能をもったものを選択してできる限りシンプルにしていきましょう。
特に帳票系などはEUC(エンドユーザーにて帳票作成できるツール)などを使い基本部分を軽くしておきましょう。
(オープン系はOSなどの原因により、いつシステム総入替が発生するかわからないことが多いのでできる限りシンプルに)
個別受注生産型の納期進捗の考えかたは、見込生産管理システムとの考え方とすこし違います。
見込生産の場合は、部品展開をして、親子の在庫引き当てを行い、期間のまとめ、ロットのまとめを行ったあとに
手配オーダーとしてリードタイムが設定され納入予定日が決まります。
その後、発注して入荷でという形になりますが、個別受注生産においてはリピート部品、ユニットはこれとほぼ同じ運用になりますが、
ほとんどは、毎回違う部品を購入または製作するので違った動きをします。
設計の段階から、納期のかかるものは事前手配を設計が行い、または資材が先行オーダーを行います。
実際の手配段階になったときには、残りの購入品、製作品を一度に発注されるところが多いようですが、
事前納入などで、納期のかなり前から組立場所、倉庫が山になり、作業場所が狭くなりがちなので効率が悪くなります。
よって手間がかかりますがシステム内で納期と発注予定日の2つのセットを行い発注予定日が来ないものは手配をしない工夫が、
在庫場所を作らず余分な購入をしないで資金繰りをよくする方法になります。
まあ、余力ができてくれば是非やってみると明らかに効果がでてくる手法です。
あと、発注後は必ずカムアップを行うことが大切なことですね。
資材で一人で3000部品くらいを扱うとどこに何の部品がいつ入って、どこの外注に廻して、あと、メッキやでう~わかんないが実情です。
やはりIT化して納入予定日の一週間まえには納期督促ができ、だめな場合は次の手立てをする癖作りが絶対必要ですね。
大量部品の管理をしているとパニックになりがちですが、道具を使えば大丈夫です。
あと、組立とのコミュニケーションが非常にらくになり、組立現場も事前に納入予定がわかるので違うユニットから組立なんてこともできます。
こんな形で工場が廻りはじめたら大成功です。
手作りソフトとセミオーダーソフトについては、製品がないので基本的には試して使って見ることはできませんが
パッケージソフトは製品、現物がそこにあるわけなので是非試して使って頂くことをお勧めいたします。
ただ、メーカーにより『ハードなどの環境を整えないといけないのでできません』と言うことになりがちですが
そういう時はしっかりデモをしてもらいましょう。
一通りのかっこいいことばかり説明するデモは判断を誤りがちなので、実際の日次業務を一緒に運用して動かしてみましょう。
トレースデモの仕方
まずは、デモに来る当日までに、受注票と部品表と実行予算書くらいを用意しておきます。
メーカーが来たときに「さあこれを打ち込んでください」とお願いすれば全てわかります。
まず、受注票を打ち込む過程で、入力できない項目はないか確認します。その後、実行予算に入ります。
部品表は特に重要です。毎日大変な処理になるので、いかに入力がしやすいか?または、項目の順番は?項目の内容は?項目の最大桁数は?
と言うような形で現状業務が流れていくかを、1日かけて行えばかなり安心できます。
カストマイズとは、お客様に合わせてソフトパッケージを修正することを言います。
このカスタマイズをなくすことができると貴社にとって非常にメリットが多いと思います。
カストマイズを行うと、その規模や部位にも寄りますが、バージョンアップが受けられなくなります。
バージョンアップができないとなると、マイクロソフトなどのOSが新しいバージョンになっても
古いままのハード、古いままのOSを我慢して使わないといけません。
これは、しばらくは我慢ができるでしょうがいずれ限界がきます。
例えば、WIN98は対応できるがXPはだめだとか言われた場合、操作するメンバーが増えたときなどに、
端末増設したいときはWIN98はすでにありませんので増設は一切できなくなり、仕事がこなせなくなります。
それではどうすればいいのかということですが、以下の点に注意してください。
検討パッケージがカストマイズ部分をどういう風に変更するのか?
検討対象のパッケージメーカーに確認してカストマイズをどんな風に行うのか確認してください。
入力部分の項目桁数変更、項目追加が行えるのかを確認して、行える場合は、バージョンアップができるか確認してください。
できれば入力系は一切変更しない、追加の帳票作成のみにすれば、各々のパッケージにより違いはありますがバージョンアップが可能かと思われます。
本来の入力項目を変更しないと使えない、特に数量や金額を直さないといけないのならばそのパッケージに適合していないということなのです。
カストマイズの範囲が3人月を超えるか?
カストマイズの範囲を決定して見積もりをもらった時に、カストマイズの人月(または工数、日数)をみてください。
3か月以上のカストマイズを加える予定であればそのパッケージに適合していないということなのです。
日数にすると60日以上のカストマイズになります。
結論として、60日以上のカストマイズ見積もりが出たときは、次のバージョンアップ時に前回のカストマイズ部分を捨てる可能性があります。
よって、他のパッケージを検討するか、セミオーダーまたはオーダー(手作り)を検討した方が
次のバージョンアップ時に前回のカストマイズ部分を捨てるなどが少ないためトータルコストが安い場合があります。
個別受注生産専用のソフトウエアパッケージはあまり多くありません。
見込み生産中心の生産管理ソフトがBTO(ビルド、ツウ、オーダー)もできますよという形で、
個別受注生産も対応いたしますというものは多くあります。
私が言う個別受注生産のソフトパッケージは、
「原価管理が中心で、部品のマスターに登録しなくても運用ができるソフトを個別受注型生産管理ソフトだよ」とよくお話します。
個別受注型と見込生産型ソフトパッケージは、180度作り方が違います。よく吟味して選択ください。
あと、個別受注型製造業の年商(本来は業務の煩雑量)により適切な物を選んでくださいとお話することもあります。
よくIT投資は年商の1%以内でという決まり文句があります。
まあ、1%以内なら失敗しても経営事態が危なくなることはないでしょうというような意味合いもありますが、
この範囲は是非守って投資された方がよろしいかと私も思います。
それでは年商別に個別受注生産型、企業様においてはどうすればよいのかをお教えしたいと思います。
年商3億未満 | Excelなどを利用して、できる限り低コストで導入されることをお勧めいたします。 部品表明細の多い場合は原価管理だけでもできる集計機からはじめてください。 また、販売管理などは市販ソフトで対応してください。 |
年商3億~9億 | 生産管理までは必要かどうか微妙なところですね。 年商が3億に近い企業は、まずは原価管理だけでもできる集計機からはじめてください。 あくまでも1%を目安ですので3億の方はハードも含め300万が目安ですね。 |
年商10億~29億 | 生産管理システムが必要と思われます。 部品点数もかなり多くなって来ているので人が管理できる限界に近づいています。 一人が納期進捗、価格を管理できる限界は現在手配済みとこれから手配するものと合計して、3000部品が限界です。 パニックを起こすと当然発注ミス、管理ミスが多発します。 人を入れるか、IT化のどちらかの選択が必要です。 |
年商30億~ | 手作りシステム、またはセミオーダーシステムをお勧めいたします。 工場が複数あるので工場別損益を出したい。 部門損益を求めたい。 買掛けも工場別にとかいろんなことが発生します。 ここでパッケージソフトに合わせたらせっかくの特徴を生かせないことになります。 パッケージソフトに合わせるのは、この年商規模では限界に来ています。 |
パッケージソフト
とは、そのソフトを買うだけでそのまま使うことができるソフトです。
○○奉行とか、○○会計とかがその対象になります。
生産管理についてはなかなかそう言う意味でカストマイズ(客先仕様変更)なしにて単独使用できるものは非常に少ないです。
生産管理においてはそのままでも使えるが一部カストマイズできますよというのが、生産管理パッケージソフトと言えます。
セミオーダー
とは、基本的に客先仕様に変更できるソフトですが、全て一から個別製作すると大変なので
部分的にモジュールを持って客先に合わせ変更しながら納めていくソフトです。
ちょうど製造業でもあるように部品、ユニットで在庫にもっているが製品としては組み立ててなく注文があった時に
部品、ユニットを客先仕様と合わせ組み立てていくパターンと同じです。
この両者の違いは、生産管理パッケージは製品組立されているので修正が入るとバラシが発生するのでカスタマイズ費用が高めになりがちです。
ただし、ピッタリとフィットすれば(カストマイズなく)一番安い買い物になります。
セミオーダーは、もともと変更ありで考えられてますので、自分のところのカストマイズが入れ易いがトータル的には少し高めな投資になります。
パッケージがピッタリならばそれを選択して、だめならセミオーダーまただめなら手作りソフトにするという順で検討された方がよろしいかと思います。